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松沢良治 レポート

シンガポールと同じ大きさのきれいな湖  「千島湖」そこが中国産キャビアのふるさと

【月刊HOTERES 2017年06月号】
2017年06月23日(金)
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すべての面でスケールの大きさを示す中国。今回はシンガポールとほぼ同じ大きさの湖でキャビアを養殖しているという話。キャビアの取れる量も半端ではない。中国産キャビアの輸出先は20 カ国に及ぶ。ドイツ、フランス、スペイン、アメリカなどが中心で、アジアではシンガポール、香港など。日本へはまだ少量にとどまっている。中国産キャビアとなると日本では意外な気がするが、中国が目指す壮大なキャビア養殖の実態に迫る。
 


千島湖で取れた中国産キャビア

 
チョウザメは最低でも7 年間飼育が必要
 そもそもなぜ中国でキャビアが取れるのか。キャビアの親であるチョウザメが世界的に少なくなっているということから話は始まったようだ。中国の国家機関である中華人民共和国農業部(日本の農林水産省におおむね該当する)がチョウザメの研究に着手。その流れで良質なキャビアはビジネスになることが判明し、チョウザメ養殖を国家レベルで取り組むことになったという。
 
 上海から車で約5 ~ 6 時間。中国・浙江省。1000 個の島が浮かぶ大きな湖「千島湖」だ。湖の大きさは573㎢。中国でもトップクラスの大きさとされる。そこが中国産キャビアのふるさとだ。
 チョウザメを養殖している会社はHangzhou Qiandaohu Xunlong Sci-techCo., Ltd。同社のマーケティング・マネジャーのリリー・リュウさんは「キャビアは水質が命です。湖は山々に囲まれているため伏流水が流れ込み透き通るほどきれいです」と胸を張る。
 
 養殖を開始したのは約20 年前の1998 年。それから5 年後の2003 年には会社を設立しこれまで順調に出荷量を増やしてきた。2016 年には養殖しているチョウザメが8000トンに及び、そこから取れるキャビアは年間60トンにもなる。出荷量は毎年10 ~ 15%増えており、今年は70トン輸出できる予想だ。
 
 チョウザメは最低でも7 年間は育てないとキャビアは取れない。そのためキャビアの初出荷は2005 年になった。最初はセブルーガという種類のチョウザメからスタート。その後徐々に種類を増やしていった。特筆すべきはアムールという父とカルーガという母をかけわせたハイブリッドのスタージョンを生み出したこと。ハイブリッドは味がまろやかで、塩気も程よく人気がある。中国のチョウザメ研究者が生み出した自慢の商品でもある。
 

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