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新年号スペシャルインタビュー  学校法人服部学園理事長、服部栄養専門学校校長 服部幸應氏に聞く

3年後に迫った東京オリンピック・パラリンピック 本気で考えたい「選手の食事」

【週刊ホテルレストラン2017年01月06日号】
2017年01月13日(金)
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食育の浸透に力を注いでいる服部学園の服部幸應理事長。地道な活動を通し食育基本法まで成立させた功績は大きいものがある。しかし日本人の食に関してはまだまだ問題が多いとして各地で講演を続けながら、政府への働きかけも緩めていない。3 年後に迫った東京オリンピック・パラリンピック。オリンピック・レガシーに沿った食事の提供をどうするのか。喫緊の課題は山積みのようだ。

 
食物連鎖の怖さ
 
食育という言葉は今や学校教育を中心にすっかり社会に浸透している感があります。そうした流れの中で『オーガニックヴィジョン』という本を出されましたね。食育とオーガニックとの関係はどうなんでしょうか。
 
 食育の基本は「選食力」「供食力」「地球の食を考える」という3 本の柱から構成されています。それらをきちんと突き詰めていくと食育とオーガニックの関係が密接につながっていることが分かってきます。一言で言えば食育の行きつく先にオーガニックがあるということになると思います。
 
現代社会で問題になっている食卓の崩壊や健康な食の維持、そして食の安全。食にまつわる話が多くなっています。そもそもいつごろから食の安全が注目されるようになったのでしょう。
 
 カルフォルニアのクレア湖での話になりますが、ここは避暑地で夏になるとにぎわうリゾート地です。ここに毎年カイツブリという渡り鳥がやってきます。カイツブリという鳥は日本にも生息していますが30㎝ほどの小さな鳥です。多くは留鳥ですが、北のものは生息場所の凍結を避けて南に移動します。それがクレア湖では1950 年代に入ると死んでしまう現象が見られたのです。
 
 そこで生物学者のレイチェル・カーソン女史が呼ばれて原因を究明することになりました。分析した結果がすごかった。肝臓の中からDDT が発見されたというのです。かなり濃縮されたDDT が。
 
◉ DDT はどうして中に入ったのでしょう。
 
 長い話になりますが、それより15年ほど前にクレア湖では小さな虫が大量発生していました。ハエよりも小さく、日本で言えばブヨにあたるものです。これが人間の肌が大好きで止まっては血を吸う。これを一掃するために1940 年代にDDT が発明されました。これを1/7000 に希釈してまいてみた。驚くほど効き目がよくブヨは発生しなくなった。ただし3 年間で効き目はなくなったのです。
 
また新たにまくようにしたのですか。
 
 そうです。4 年目にはまた出始めたのでまくことにしました。しかしそのままの濃さではブヨに抗体ができて効き目がない。それで1/5000 に希釈して、前回よりも濃いDDT をまきました。これは効くことは効いたが1 年間と持たなかった。それ以上濃くすればほかの生物にも影響を与えるということで、同じ希釈率で毎年まくようにしました。
 
食物連鎖が心配ですね。
 
 それから15 年ほどたって、渡り鳥がばたばた死んでしまう状況が出てきて関係者は大慌て。DDT が水面に落ちて、それをプランクトンが食べて、それを小魚が食べて、次に大きな魚が食べてそれを鳥が食べたという食物連鎖が分かった。当時としては初めての体験で大きく世間を騒がせたそうです。
 
 そこでレイチェル女史は米国政府を相手に戦う決意をします。しかし時代が時代。当時は科学万能の時代です。科学に反抗するとは何事か、という非難の嵐が巻き起こり彼女はどうすることもできなかったというのです。
 
 そうしたさなか彼女は病気で死んでしまう。それから5 年ほど経過し、時代も少しずつ変わり規制すべきという声も強くなりDDT の使用に制限がかかるようになったのです。
 
 
もし彼女が声を出さなかったら今でも
使われている可能性がありますね。
 
 戦後GHQ が日本を占領していたときに、DDT を頭からかけられた経験があります。シラミがいっぱいいましたから。その後、有吉佐和子さんが小説『複合汚染』を書いた。これはレイチェル女史に触発されたと言われていますが、読んでショックを受けたのは私だけではないでしょう。

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