今回は福岡県の政令指定都市の一つ、北九州市を取り上げる。同市は官営八幡製鐵所や筑豊炭田などで発展した都市であり、国内 4大工業地帯の一つとして国内の近代化を支えてきた歴史がある。また、関門海峡や門司港レトロ、小倉城などの観光スポットを有している。以下に北九州市のマーケットポテンシャルと福岡県の観光マーケットを見ていこう。
文殊リサーチワークス http://monju-rw.com 毎月第2週号に掲載
1.マーケットポテンシャル
北九州市の人口は94万 2620人(2019年)で、福岡県内の人口シェア18.6%を占めている。これは県内 2番のマーケット規模となっている。増加率(19年/ 14年)をみると、北九州市は▲ 2.9%の減少となった。その他の県内主要都市を見ると、県西部の都市は増加傾向であることがわかる。一方、北九州市の位置する県東部を見ると、直方市が▲ 2.6%、など減少傾向となっている都市が見られる。人口 5万人以下のためにグラフには出ていないが、田川市が▲ 4.7%、中間市が▲ 5.2%、豊前市が▲ 6.2%となっている。また、県南部の都市では▲ 5%以上と減少幅の大きい都市が比較的見られ、地域によって様相が異なる。(図表 1)
北九州市の年齢構造を見ると若年人口比率は 17.4%、適齢期人口比率は20.8%となり、若年人口比率は全国レベル(17.4%)と同レベルとなったが、適齢期人口比率は全国レベル(22.3%)を下回った。その他の県内主要都市をみると、若年人口比率、適齢期人口比率共に県西部の都市で比率が高い。北九州市を中心とする県東部の主要都市では、行橋市で若年人口比率 18.5%と全国レベルを超えているが、適齢期人口比率はすべて全国レベルを下回っており、エリア全体としてマーケットが硬直化してきている。高齢者(65歳以上人口)比率を見ると、北九州市は 29.3%と全国値(26.6%)を上回っており、政令指定都市の中で最も高齢者比率が高い都市となっている。全国に先駆けて高齢者の増加が社会問題になった都市である。(図表 2)
将来推計人口をみると、すでに減少フェーズに移行している北九州市は、2040年頃には2010年ベースから約20%減少すると推計されている。(図表3)その他の県内主要都市では、県西部で将来的に 2010年ベースを維持すると推計された都市が存在しているが、それ以外の都市は将来的に 2010年ベースの60%.80%程度になると思われる。県東部の主要都市では行橋市が 80%、直方市が 70%程度になると思われる。
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2022年1月7-14日号 観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル《北九州市編》
観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル《北九州市編》
【月刊HOTERES 2022年01月号】
2022年01月13日(木)