伊豆にバケーション文化を築き、地域とともにサステナブルな企業体を創る
ホテル日航成田、星野リゾート青森屋、星野リゾート奥入瀬渓流ホテルを所有経営する宝産業グループのホテル事業会社、(株)三四郎は、静岡・西伊豆の「アクーユ三四郎」として運営されていた旅館施設を 2020年 12月に取得し運営を開始した。2021年 3月より全面改装に着手、「Il Azzurri(イル・アズーリ)」に名称を変更し、7月 16日にグランドオープンを迎えた。
イル・アズーリは、イタリアカプリ島を彷彿させる断崖と紺碧の美しい海を臨む、全客室露天風呂付きのリゾートホテル。ロビーには、アルコールを含む飲み物が自由に楽しめるオールインクルーシブラウンジを設置。青い海を眺めながら、ワインやオリジナルドリンクを楽しめる。赤く輝く日没の海を見つつ地元素材を使ったイタリアンディナーを堪能した後は、プロジェクションマッピングを見ながら楽しむバータイムも魅力。「ライフスタイルを持つ大人のためのリゾート」をコンセプトに掲げるイル・アズーリのプロジェクトはどのように進められ、今後のビジョンを描いているのだろうか。3人のキーパーソンにインタビューした。
リゾートホテルはロケーションと規模感を重視して出店していきたい
---ホテル業に参入した理由、今回のプロジェクトの経緯を教えてください。
佐藤 宝産業グループとして神戸で不動産業を営んでいますが、長年ホテル業に興味を持っていました。2012年に、ホテル日航成田を取得しホテル事業に参入、2013年には星野リゾート青森屋、星野リゾート奥入瀬渓流ホテルを取得し現在に至っています。これまでさまざまなホテルを見てきましたし、具体的な投資案件もいただいていたので、事業としてのホテルを見る目を養うことができました。ただ、これまで取得した施設は既に実績ある運営者を承継しており、自社直営としてホテル事業に参入するまでには至っていませんでした。
本件は、ホテルの経営や運営に関して豊富な知見を持つ前山から紹介とサポートがありはじめて動き出しました。
佐藤 私たちがホテルに投資する上でもっとも重視しているのはロケーションと持続投資が可能な客室規模です。リゾートホテルの場合は 50室程度以上が継続的な投資を可能とする規模だと思っています。本件はその 2つの基本条件を満たす案件であり取り組むこととしました。
前山 これまで佐藤も私も運営委託形態で事業ノウハウを蓄積してきましたが、本件は運営責任者として経験豊富な山下に経営に参加してもらうことができたため、直営で取り組むことにしました。
株式会社三四郎
代表取締役社長
佐藤正満 氏
宝産業グループとして神戸にて不動産投資賃貸を経営。2012年ホテル日航成田、2013 年星野リゾート青森屋、同奥入瀬渓流ホテルを取得。現在に至る。