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HOTERES エンターテインメント! ライブ配信が持つエンターテインメントの可能性

【月刊HOTERES 2021年07月号】
2021年08月02日(月)
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ライブ配信プラットフォーム国内 No.1シェア企業である「17LIVE」はライブ配信プラットフォームの啓蒙と拡大において、市場に貢献したいと考えているという。その一環としてこの6月からは「17LIVE」の人気ライバーでもある西川貴教氏とAKB48 をCMキャラクターとして採用し、TVCM を積極的に流すことでより広い層への認知拡大を図っている
ライブ配信プラットフォーム国内 No.1シェア企業である「17LIVE」はライブ配信プラットフォームの啓蒙と拡大において、市場に貢献したいと考えているという。その一環としてこの6月からは「17LIVE」の人気ライバーでもある西川貴教氏とAKB48 をCMキャラクターとして採用し、TVCM を積極的に流すことでより広い層への認知拡大を図っている

アイドルや 芸能人のライバーも多い「17LIVE」だが、演劇系、バーチャル系、クリエイター系などさまざまなジャンルのライバーがおり、オーディエンスたちがおのおのに持つ世界観や嗜好を共有できるコミュニティが多くあることも魅力のひとつだ
アイドルや 芸能人のライバーも多い「17LIVE」だが、演劇系、バーチャル系、クリエイター系などさまざまなジャンルのライバーがおり、オーディエンスたちがおのおのに持つ世界観や嗜好を共有できるコミュニティが多くあることも魅力のひとつだ

ライバーの夢を支援している点も「17LIVE」が他のSNSとは を異にしている点かもしれない。各種イベントのプライズには参加ライバーが目標とする場面でのチャンスが用意されており、バラエティに富んだプライズを提供することにも力をいれているという(写真は渋谷ジャックプロジェクトのプライズとして実際に渋谷駅で掲出された看板のクリエティブ)
ライバーの夢を支援している点も「17LIVE」が他のSNSとは を異にしている点かもしれない。各種イベントのプライズには参加ライバーが目標とする場面でのチャンスが用意されており、バラエティに富んだプライズを提供することにも力をいれているという(写真は渋谷ジャックプロジェクトのプライズとして実際に渋谷駅で掲出された看板のクリエティブ)

昨年のコロナ禍、日本人のエンタメ に最も影響を与えたものがSNS であり、動画配信であることは本誌でも幾度となく取り上げてきた。その中で今、もっとも次世代への可能性を持つプラットフォームがライブ配信市場だ。そこで今回は日本のライブ配信市場において50 以上のシェアを誇り、アジア市場をもけん引する「17LIVE」について紹介する。

 
あらゆる表現者が気軽に“個”で可能性を試せる時代
 
 ライバーという言葉。昨今、よく耳にするようになった言葉ではあるが、その実態が何かを 認知していない 読者も少なくないのではないだろうか?  かくいう筆者も恥ずかしながら昨禍で話題になるまでキーワードとしては把握していたものの、市場価値を明確に理解するようになったのは昨夏くらいからだ。
 そこで本稿ではまず、ライバーとはなにか?  について始めたいと思う。定義としてのライバーは“ネットライブ配信アプリを利用し、ライブ配信及びそれによる収入を得ている人”である。ちなみにライブ配信はYouTube やInstagram、TikTok など各種SNS においても行うことが可能であるが、いわゆるライブ配信を主たる機能としてうたうプラットフォームの強みは低遅延であることに加え、リアルタイム配信にインタラクティブな機能が加味されたコミュニケーション強化型のメディアであるという点だ。加えて“投げ銭システム”というオーディエンス = 視聴者、ファンといった存在)が最終的に発信者にリアルな収入となる収益を提供し得る機能を持っている点も一般的なSNSのライブ機能とは趣を異にする。この機能があることで、ライバーは生放送の配信を“生業”とすることが可能であり、インフルエンサーではなく、職業として成り立つシステムが構築された市場であるといえるのだ。
 
 その市場において現在、日本はもとよりアジアをけん引しているのが「17LIVE」だ。ちなみに「17LIVE」はライブ配信市場においては決して先駆者ではない。サービス開始も2015 年と比較的ライブ配信市場過渡期に登場したサービスだ。その企業がなぜ成長期に入った今、リーディング企業となったのか  おそらくそれは彼らの“シェアハッピースピリット”にあるのではないだろうか? 「17LIVE」のミッションに“Empower Artists, Entertain The World”があるが、「17LIVE」はライバーと企業のニーズを効果的にマッチングするハブとなることで企業価値を上げるだけでなく、“winwinwin”のスキームを活性化させたことで市場価値をも上げることに一石を投じた企業だと考える。
 
 実際、アプリ内イベントではライバーの夢を支援すべく、ランキング上位者にとって魅力的なイベントプライズが多数用意されている。一例をあげれば、モデルを目指す女性に対しては「渋谷ジャックプロジェクト」というイベントを立ち上げ、トップライバーは渋谷駅の看板にモデルとしてデビューできる。また音楽系のトップライバーたちには「ZeppTokyo」
等のメジャーな会場でライブを行える「17 Music Festival」を 催するなど、ライバーのモチベーションをあげるべく、現実的な夢の実現の場を用意するのだ。このようにイベントプライズが多種多様に用意されている点こそ「17LIVE」の魅力であり、いかに多くのプライズを用意するかに尽力する企業姿勢も「17LIVE」がアジア№ 1 ライブ配信企業として飛躍的な成長を見せた理由かつ、ライバーからの支持が高い所以であるのではないだろうか?  もちろんライバーのモチベーションマネジメントに注力している点がタイアップ企業にとって「17LIVE」とタイアップするメリットにつながっていることはいうまでもなく、こういった姿勢はすべての業界が今後 習うべきものであると考える次第だ。
 

 
ライブ配信は観光業界の可能性を広げる!
 
 ところでさまざまなジャンルのスペシャリストが自己発信を行なっているのもライブ配信市場の特徴であり、魅力だ。中には地上波で“その道のプロ”としてフィーチャーされても不思議ではないマニアも多数発信をしており、おのおののチャンネルに熱烈なファンがつくことでニッチ市場が構築されている。
 例えば現在「17LIVE」で人気の高いコンテンツに「お家で古墳巡り 日本各地“墳活”」というものがある。本コンテンツは「古墳フェスはにコット」という古墳を身近にカジュアルに感じてもらいたいと古墳に関するイベントや情報を発信している団体が毎年リアルに“古墳 アート”をテーマに 槻市内の今城塚古墳公園内で行なっていた古墳フェス「come_come* はにコット(2019 年来場者は30000 人強を記録 )」に起因する。このフェスがコロナ禍によってリアル開催できなくなったことで2020 年より「17LIVE」と公式にタッグを組み、オンラインフェスを行なったのだ。これが人気を博し、日本全国12 地域の行政による協力の
もと、日本文化発信の新しい手法として毎月1 回各地の「古墳」や「文化遺産」をテーマに魅力あふれる映像をリアルタイムで楽しむことができるライブ配信企画「お家で古墳巡り 日本各地“墳活”」に発展したのだ。
 
 TBS の人気番組「マツコの知らない世界」に象徴されるように現代はよりニッチな趣味趣向にコミュニティが生まれ、その道の専門家がカリスマとして活 する時代である。ライブ配信市場はまさにこの専門家としてのカリスマが活躍できる場であり、彼らに活躍の場ができることが地域創生や文化の継承、発展に繋がるスキームが確立しつつあるといってもいいだろう。地域創生という意味ではこんな取り組みがある。コロナ禍で注目を浴びだしたワーケーションをテーマとし、沖縄県の「カヌチャリゾート」が「17LIVE」と共同で、リモートで沖縄への移住体験ができる「17LIVE   カヌチャリゾート〜沖縄でワーケーション体 配信〜」を配信したのだ。2日間に分けて行われた配信では初日にワーケーション施設である「カヌチャリアンリゾートオフィス」を中心にワーケーションの1日を配信。広大な敷地内にある人気の中華レストランやゴルフ場、プールにビーチなどのレジャーエリアが紹介され、具体的な滞在イメージを伝える配信が行われた。二日目は11 月〜2 月まで行われているカヌチャリゾート名物のイルミネーションの点灯式を、沖縄を拠点に活躍するアーティスト・jujumo の生ライブと共に、カヌチャスタッフとミス・アースのファイナリストが配信を行なうことでリゾートとしての魅力を発信した。
 
 それぞれのシーンに合わせた施設の魅力の配信は、同施設の認知拡大と共にお客さま獲得強化に繋がる取り組みとなった。このように何かしら特化した特徴、もしくはコミュニティを持つライバーと組んだライブ配信は観光誘致や地域創生に有益なツールであり、ファンベースを持つライバーの経済効果には計り知れない可能性があるというのが“現在のライブ配信市場の持つ価値”であるといえる。これらは渡航解禁となった際のインバウンド市場に大きな訴求力を持つことは予想に易いといっても過言ではないだろう。
 

ライブ配信市場の将来性、可能性
 
 ところでライブ配信市場が持つ将来性とはどんなものなのだろうか? 正直、筆者にとっても新しい世界で魅力的であると共に未知なことが多い世界でもある。そこで17LIVE㈱ 代表取締役 / Global CEO, 17LIVE Inc.の小野裕史氏に伺ってみた。
 
「今回のコロナをきっかけにライブ配信が注目されるようにはなりましたが、中国や『17LIVE』の発祥地である台湾などでは、すでにライブ配信が日常のさまざまなシーンでも当たり前に視聴される時代になっています。また、今後は5Gなども追い風となり、さらに加速していくことが予想されています。市場の規模については、中国では、ライブ配信市場がモバイルゲーム市場の半分近い規模に迫っていると言われており、その構図を日本に当てはめると日本国内だけで5000億円のマーケットが生まれると見込んでいます。一方で、ライブ配信市場は中華圏以外ではまだまだ黎明期で、これからグローバルでより顕著な成長を見せ、市場が拡大していくと確信しています。特にアジアでは、インドなど、IT先進国かつ人口が多い地域を中心に急速に市場が拡大していくと見込んでおります。
 
急成長する市場があれば淘汰される時代もありますが、現在世界的にも多数存在している“ライブ配信”プラットフォームがある程度淘汰されていく状況が生まれたとしても、現在の当社のような多ジャンルを提供できるプラットフォームと、よりターゲットを絞り得意分野に特化した専業型ライブ配信プラットフォームに分かれ、より明確に棲み分けされていくことになるのではないかと予想しています。いずれにしても当社としては、“ライブ配信”というエンターテインメントの今後の成長や文化定着には揺るぎない自信があり、新たなライブ配信エンターテインメントを、より多く生み出せるように貢献したいと考えています」。
 
成長産業である“ライブ配信”が観光誘致、地方創生における手法として持つ可能性についてはどのように考えられているのだろうか?
 
 「“ライブ配信”の魅力は、スマホひとつあれば“いつでも誰でもどこにいても”ライブ配信を楽しめることです。コロナ禍となりライブ配信で観光地を紹介し、旅行した気分になる施策は各旅行会社を中心に企画されてきたと思います。『17LIVE』では、コロナ以前よりこのような光景が日常的にあり、ライバーは言わずもがな日本各地からスマホひとつで配信することができます。ライバーのお気に入りスポットからの配信であったり、いつもお詣りしている神社を紹介したりなどが、日常的に行なわれていました。加えてコロナによって、個人のライバーアカウントだけでなく、企業や団体が“地方創生”、“観光促進”という目的でアカウントを開設し、ライブ配信を始めてくださるというポジティブな変化が顕著に起きています。例えば、もっと気軽に文化遺産である古墳に親しんでほしいという地方創生、観光促進への思いから生まれた『お家で古墳巡り・日本各地“墳活“』や、日本各地でその土地の活性化に奮闘する“ご当地キャラ”の活躍の場を拡げる目的で実施した『全国ご当地キャラV-LIVER化プロジェクト』、沖縄への移住促進を目的に、移住の疑似体験ができる『カヌチャリゾート』でのワーケーション配信など、あくまで一例とはなりますが非常に好評を受けた配信など、多くの取り組みが実績としてございます。
 
 さらに、われわれ『17LIVE』では『HandsUP』というライブコマースサービスを手がけています。これはライブコマースを通じて、各地の名産品をライブショッピングできたり、百貨店で人気の地方物産展をデジタル上で簡単に行なえるサービスで、ライブ配信の延長線上にある「商売」をライブ配信ビジネスで得た知見とノウハウをもとに一貫して提供しています。こういったサービスも含め、さまざまな自治体や民間企業と連携していくことでライブ配信市場全体を盛り上げ、地方の活性化に寄与できればと考えています」。
 
さらに小野氏は展望について次のように語る。
 
 「われわれは、“ライブ配信”というエンターテインメントは新型コロナウイルスによって加速した一過性のモノとは考えておりません。2017年の日本におけるサービス開始以降、「ライバー」という職業が子どもにとって憧れの職業となるようなムーブメントを創出していきたいと本気で考えています。子どもからシニア世代まで、ライブ配信を楽しみ、またライブ配信を簡単に行えるようなプラットフォームの運営を続けていく所存です」。
 
( 取材・本誌 毛利愼 原稿 飯野耀子) 

​担当:毛利愼 mohri@ohtapub.co.jp

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