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第188回 北村剛史 新しい視点 「ホテルの価値」向上理論 〜ホテルのシステム思考〜

第188 回『インバウンド2000 万人新時代と宿泊施設格付け情報』

【月刊HOTERES 2015年09月号】
2015年09月18日(金)
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 前回はインバウンド2000 万人新時代に向けて必要と考えられる取り組みをマクロ的に俯瞰して整理しました。今回はまず前回も少し触れましたが改めてホテルや旅館の格付けの意義について整理し、より具体的に弊社が開発し実際に覆面調査やホテル旅館の鑑定評価に当たって運用しているホテル旅館の格付け基準(2015 年7 月時点基準)をご紹介したいと思います。まずは宿泊施設の格付け情報存在意義についてです。日本は豊富な集客コンテンツを有しており、2013 年には外国人観光客数(以下「インバウンド」という。)が1000万人を超え、さらにオリンピック・パラリンピック開催を控え、2000 万人を超えるインバウンドが来訪する国際観光大国への歩みが大いに期待される状況にあります。
 
このようにインバウンドマーケットが新時代を迎える中、今後、さまざまな観光インフラの整備に加え、観光客向けの情報インフラの整備を急ぐ必要があると言えます。一方でナショナルチェーンが多いわが国のホテル旅館マーケットでは、宿泊施設が提供する機能、サービスなどに関する情報は事前にある程度取得できるものの、ハードの快適性やスタッフの顧客接遇力を含めたサービスレベルの高さに関する事前情報は限られているのが実情と言えます。実際にホテルや旅館に到着して宿泊滞在するまで、上記のような重要ポイントを正確かつ的確に把握することは容易ではないのです。
 
つまり宿泊施設に関して、買い手側が「情報劣位者」となり、売り手と買い手が保有する情報に「非対称性」が認められる環境にあり、それは、市場で提供される商品やサービスに対して、需給バランスに見合う市場原理が適切に機能する環境を阻害することにつながり、マーケットの健全な発展にとって大きな阻害要因ともなっているのです。それこそがホテル旅館格付け情報が有する大きな意義の一つと言えます。

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