それら需要価格と幣協会が実施しているDMOとの品質認証制度「サクラクオリティ」に基づく市場価値曲線を比較してみます。サクラクオリティでは、2140 項目のインスペクション調査項目のうち、クリアしている比率によって1 サクラから5 サクラを分類しています。1 サクラで16.26％の基準クリア（以下同値を指数化し16.26 点とする）、2 サクラで同32.52 点、3 サクラで同48.79 点、4 サクラで同65.05 点、5 サクラで同81.3 点を要求しています。

　上記アンケート調査に基づく需要価格と、サクラクオリティで実際に見られる1 サクラから5 サクラクラスの実際ADR（円／室）をプロット（プロット上の曲線を以下「価値曲線」と言う）し比較しますと、実際価格と需要価格で価格分布が大きく異なります。実際価格では、特に4 サクラ以上で1 サクラから3 サクラの価格帯から大きく価格水準が上昇している様子がうかがえます。また、1 サクラから3 サクラでは1 ポイント当たりで500 円／ポイント前後の格差が生じているところ、4 サクラ以上では約800円／ポイント以上と大きく上昇しています。4 サクラ（アンケートでは4 スターと定義）以上では客室数が小規模となること、またパーソナルサービス等付帯価値が強く介在すること等が市場の価値曲線の傾きを大きく変化させている様子がうかがえます。