シンガポールでクラブが密集しているClark Quay。観光客も含め、日々人々が多く集い活況を呈している
”Entertain"の語源は”心をつかんで離さない”だといわれる。日本のエンターテインメントも世界レベルでそうなりたい
エンターテインメント事業とコンプライアンス
もう一点、筆者が声を大にしたいのが演者サイドとの明文化した契約を徹底するということだ。
IR 市場始動を受け上場企業におけるナイトマーケット市場への参入が増える中、芸能事務所などマネージメントがしっかりと入っている場合は一般的なビジネスルールを共有しうるが、まだまだ欧米に比べ日本自身が契約に関する意識が低く、さらに慣習として契約書を交わさない文化が継承されているジャンルがあるなどエンタメ業界独特の現実も知る必要がある。
中にはいまだに契約書を交わさないどころか、支払いに請求書が発生しないケースもあるくらいだ。
しかしオーバーグラウンド(もちろん契約書の存在はアンダーグラウンドにおいても必要だと考えるが)なクラブ文化を発展させていく上では薬物をはじめとした不祥事についてはもちろんのこと、秘密保持やギャランティに関する条項など相互のコンプライアンス順守が徹底される契約書の作成が必要不可欠である。
これらのことからIR 市場に参入する企業にとってIR 市場だけでなく、国の内外にわたったエンターテインメント業界にも明るい弁護士の確保も成功の鍵となることが予想される。