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㈱ジェイノベーションズ 大森 峻太 氏  Integrated Resort in Entertainment

コンテンツ作りは設計段階から“外国人目線”を入れることが重要

【月刊HOTERES 2019年04月号】
2019年04月26日(金)
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大森氏がホステル内の飲食店活性化を依頼され手掛けた交流イベント。 イベント終了後も人の輪が膨らみ大いに盛り上がったという。ツアーにも同じことが言えるが、いいコミュニケーションは旅の彩を豊かにする

㈱ジェイノベーションズ 
代表取締役社長
大森 峻太 氏 Shunta Omori

1989年7月19日生まれ。神奈川県出身。大学在学中にカナダ留学、オーストラリア留学、韓国留学を経験。大学卒業後はカナダに拠点を移し、1年半かけて海外を回り観光の最前線を学ぶ。帰国後、外国人旅行者向けボランティアガイド団体を立ち上げ、約5000人のボランティアガイドを全国で集める。2016年12月にインバウンド事業をメインに手掛ける「㈱ジェイノベーションズ」を設立し、訪日外国人向けツアーや観光案内所の運営などを行ない、全国でガイド人材の育成に注力。会社を経営する傍ら、インバウンドの専門家として行政などのアドバイザーを務め、メディアなどでもインバウンドの最前線を発信している。東京都観光まちづくりアドバイザー。海外留学サービス「StudyIn」公式留学アンバサダー。

■IR 時代を迎える日本にどのような見解を持たれていますか?
 
 私は渋谷を主な拠点に訪日外国人観光客の方向けにウォーキングツアーを提供しており、昨今はVIP 向けのプライベートツアーや渋谷区観光協会と共にオフィシャルツアーなども開催しています。

そのように国も旅のニーズも予算も多岐にわたったインバウンド観光客の方たちの“生の声”を日々聞いているわけですが、その中で共通して上がってくるのが“どこで遊べばいいか分からない”“夜、遊びに行ける場所がない”といった声です。

加えて富裕層の方たちに共通するのは“お金を使う場所がない”ということですね。
昨年、訪日外国人数が3000 万人を超え、目標である4000 万人到達も視野に入ってきているわけですが、一方で目標消費額である8 兆円は4.5 兆円にしかなっていません。
 
“モノ消費”から“コト消費”へ訪日観光の目的に大きくシフトする中で、娯楽サービス消費をする場が足りていないというのは非常にもったいない。

ですからIR 施設にはぜひ、娯楽サービス消費が活性化するエンターテインメント施設やプログラムが不可欠だと思います。

これらコンテンツをどう作るかについてIR 施設を運営される方たちにお伝えしたいのは、設計の段階からインバウンド観光客の生の声に耳を傾けつつ、世界的に認められたところと一緒に取り組むことが大事だということです。インバウンドと一口に言っても、お国柄や文化が違えばニーズもマーケティングも大きく変わります。

一例をあげると、私は渋谷で観光案内所もやっているのですが、土地柄よくクラブについての質問を受けます。

その際に特に欧米の方たちはお店を紹介した際にどんな音楽が流れているのか? といったことを聞かれるケースが多い。結構いろんなジャンルについて事細かに聞かれることもあるくらいです。そういったニーズと施設運営をどうバランスを取るか? を上手にかじ取りできると評判が世界に自然と広がっていきますし、訪日魅力も育てばリピーターの獲得にもつながると思います。

また現在、ナイトマーケットの活性化の壁になっているナイトタイムインフラの問題についても、IR 施設内にそういったコンテンツが充実していれば終電を気にする必要もなく24 時間やっているので思う存分遊ぶことができますし、セキュリティーの面が安心な点も魅力ですよね。細かいことを言えばまだまだ数多くあるのですが、アジアには既に人気のIR 市場がたくさんあるので、IR 施設を作れば大挙して観光客がやってくるかと言えばそんなに甘くないというのが現状だと思います。

ですからぜひ外国人目線を入れたコンテンツをバラエティー豊富に準備することが大事ですし、そういったIR 施設になることを期待したいと思います。

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