商売において“Win-Win(ウィン ウィン)の関係”という言葉がこのところよく使われます。
まさに言葉の通り、ビジネスにおいて双方が勝つということですが、本当にそのような関係が成り立っているのかと考えると疑問です。
自分では相手に有益な何らかをもたらしていると思い込んでいる人が多いからです。
例えば誰もが知っている著名人カップルがホテルで結婚式を挙げたとしましょう。
当然のことながら先々のビジネスを考えると著名人の結婚式に何らかのカタチで関わりたいと思うのが常です。
結婚式を作り上げるために関わっているプロデューサーは著名人であることを切り札に切り込んできます。“衣裳を無償で提供していただけますか?”と。
もちろん受ける側の答えは“Yes”です。なぜなら、著名人が衣裳を着てくれれば自社のアピールにつながるからです。
ところが著名人であるほどシークレットです。
どこの衣裳を着たのか、どこのギフトを選んだのかなど明らかにすることを嫌うからです。
もちろん、世界的に著名なドレスデザイナーが仕立てたウエディングドレスであれば何らかのアピールはするでしょう。
ところがそれほどまで著名でなければアピールすることはありません。
つまり、売り手側の勝手な妄想で結果的にはタダ働きしたことになるのです。
第61回
“風の人”山下裕乃の「THE SHARE」
第61回 Win-Win の発想では商売成り立たず ~儲けている陰に広がる闇の世界の存在に気づいて!~
【月刊HOTERES 2019年02月号】
2019年02月08日(金)