変化に追われるリーダーのための実践的イノベーションメソッドとして、ホテル業の事例にとどまらず、多く企業変革の現場から生まれた「チェンジング・メソッド」として紹介していた48 種。そのPart 2 としてお届けする。
Profile
岡村衡一郎
(おかむら・こういちろう)
1971 年生まれ。亜細亜大学卒。㈱船井総合研究所を経て、2004 年㈱スコラ・コンサルト入社。120 社を超える企業変革を支える。「会社が変わるとは何か」、「人がイキイキ働くには何が必要なのか」を考え続け、「一品」という変革コンセプトを発見、体系化する。支援先の起源や今あるリソースを足場に、「あるもの」から「ないもの」を生み出す一品イノベーションに多くの経営者ファンを持つ。変わるためのテコをあぶりだす「経営者オフサイト」、「『一品』で会社が変わるワークショップ」を主催。著書に『一品で会社を変える』(東洋経済新報社)『30 代でチームのリーダーになったら最初に読む本』(同社)など
こまめに問題点をあぶりだすことで
的確に迅速に解決へと導かれる
新聞によると、イギリスにあるトヨタ自動車の工場の在庫は4時間分だそうだ。EC の諸条件に関して、意見を述べた記事にそう書いてあった。4 時間の在庫は、サービス業の方には分かりにくいかもしれないが、レストランの冷蔵庫や、部屋で用いるシャンプーの在庫を、半日分もって、事業を回転させていることに近い。それが、日本の裏側にある工場の話であるが、ゆえに、そのすごさを感じる。
生産ロットを小さくしていくことで、半日分の在庫になっている。売れた分だけつくるという究極のゴールに向かって、取り組んでいるから、できるのだろう。問題解決が上手な企業ほど、仕事の締めは頻繁に訪れる。ビジネス用語でいうところのPDCA のC の頻度が、まったくもって違うのだ。イギリスの工場では、数万人規模の取り組みにもかかわらず、一日2 回、改善のチャンスが訪れていることになる。