スペインワインの売り上げは
堅調な伸び
回答者の39% が、売上高トップクラスのワイン生産国の一つとしてスペインを挙げている。スペインワインは日本での売上を著しく伸ばしており、専門家の48%が示した見解によると、日本では2017年のチリワインの販売量が落ち込み、売上高ランキング第4 位に転落したことも大きな要因となり、スペインワインがトップランクの売上高を記録した。スペインワインは今後の見通しも明るく、専門家の30%がこの先2 年にわたり売上高トップ3 に入ると予測している。カナダや米国でも同様に、専門家の48%が今後2 年間のスペインワインの販売は好調との展望を示している。
トップの座を維持するフランスは
高品質なイメージと定評を誇る
フランスワインは総合的なイメージとしてトップの座をキープし続けている。この調査に参加した専門家の64%が、フランスがワイン生産国としての成功イメージを象徴していると考えており、イタリアが支持率で13%の差を追いかけている。
フランスワインは品質などの面で他国のワインを抑え、また「ブランディング・キャンペーン」や「ノーブランド商品キャンペーン」の展開、そして「持続可能な開発へのアプローチ」、「消費者の期待に応えられる商品」といった条件を満たしており、依然として「特別な日に飲むワイン」として特に高い評価を受けている。
「魅力的な価格設定」や「普段の食事に最適な日常ワイン」といったカテゴリーではスペインやチリが上位を占め、革新的なワインという意味ではイタリアに次ぎスペイン、チリが最もその特性を生かし、他国に差をつけている。
パッケージに現れるワイントレンド
パッケージのトレンド展望では、北米におけるボトル以外のパッケージ入りワインの需要増大が論じられている。専門家の40%以上が、北米ではボックス入りや缶入りタイプのワインが選ばれていると述べている。また、アジアの専門家は、デジタル技術を導入したパッケージングやデジタルラベリングの導入が、ネット依存に象徴される接続過剰社会の消費者へのアピールの一つとして有効であるとの見方を示した。デジタル技術を利用することでワインの原産地、品質の信頼性、トレーサビリティーといった情報を入手できるため、消費者の安心につながると考えている。
一方、調査を受けた専門家の半数が、北米、またベルギーといった国や地域では、デジタル技術の導入による実質的な付加価値は得られていないとしている。さらに米国では、ワイン販売にこうしたデジタル技術を活用するという考えがいまだに浸透していないと回答する専門家もいる。