プロセッコの聖地とも呼ばれるカルティッツェの丘にあるコル・ヴェトラス(Col Vetoraz = http://www.colvetoraz.it)からの眺め。右上がオステリア センツァ オステ(Osteria Senz'Oste)という自然の中にあるセルフサービス型レストランがあり、この地を訪れるゲストにも人気だ
プロセッコ=“安泡”ワインではない
プロセッコはイタリア北部のヴェネト州とフリウリ=ヴェネツィア・ジューリア州をまたいで造られる発泡性ワイン。その生産量は年間5 億本とシャンパーニュをはるかにしのぎ、“ 世界一飲まれているスパークリングワイン”と呼んで間違いのない存在だ。心地よいアロマとフレッシュさが売りのプロセッコはその75%が輸出されるイタリアのワイン産業きっての優良株であり、ブランディングに関する取り組みも目覚ましいのだが、ここで明確にしておきたいのは「プロセッコ=安いスパークリング」ではないということだ。
プロセッコにはDOC と二つのDOCGが存在する。小誌7 月6 日号から一カ月にわたり紹介したDOC に対して、さらに生産区域や規制で高いクオリティを求めたのがDOCG であり、フリウリ=ヴェネツィア・ジューリア州はトリエステで生まれたプロセッコの、本質的なオリジンはここにある。
上段はイタリアとプロセッコDOC およびDOCG の生産エリアマップ 下段がプロセッコの階層を表したピラミッド