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酒のSP

ソアーヴェの新たなアイデンティティ オンメニューが環境への意思表示になる

【月刊HOTERES 2018年08月号】
2018年08月23日(木)
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城壁に囲まれたソアーヴェの街並み。街まるごとが“ワインの街”であるという風情を感じる
城壁に囲まれたソアーヴェの街並み。街まるごとが“ワインの街”であるという風情を感じる

ソアーヴェワインが日本市場で再ブレイク
 
 日本におけるイタリアワインが隆盛とも飽和とも言われている中で、ソアーヴェワインがにわかに販売量を増やしている。2013 年から日本で行なわれているバイ・ザ・グラス キャンペーンも順調に参加店を伸ばしているばかりでなく、5 年目に入った昨年も販売量は22%増加、参加店も前年から41%の増加と勢いは顕著だ。
 
「ソアーヴェワインは日本市場に受容されており、このグラスワインでのキャンペーンによって消費者の関心の高まりも把握できます。この5 年間、レストランと消費者の両方に向けて良い影響をもたらすことができました」
 
 ソアーヴェワイン保護協会のディレクター、アルド・ロレンツォーニ氏は日本市場におけるさらなる浸透に自信を見せる。
 
 そのソアーヴェワインが歴史や土壌を背景に、循環型社会への対応と世界農業遺産へのノミネートという新たなカードで独自のポジションに立つ局面にある。

 
四つの土壌からなる四種のソアーヴェ
 
 ソアーヴェは、ヴェネツィアから西へ90㎞、ヴェローナからは東へ30㎞のところにある、古代ローマ時代にはすでにそのワインの品質が高く評価されている地域だった。畑の向きや気候、土壌構成とワインの特徴を結び付けるポイントを解明するために、ソアーヴェの生産者協会(ソアーヴェワイン保護協会)は、現地のミクロクリ―マ(微小気候)の研究を行なっており、それぞれの地域で造られたワインは、研究と分析の対象として専門家のグループによる試飲が繰り返し行われている。

 ギリシャを起源とするブドウ品種だと言われているガルガーネガを70%以上使用し、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェもしくはシャルドネを30%以下、ほかアロマティックでない認定白ブドウを5%以下の割合で生産される白ワインがソアーヴェの基本であり、イタリアにおけるワイン法が制定された1968 年にDOC に認定されているのがソアーヴェDOC だ。その中で古くからワイン造りが行なわれていたソアーヴェ・クラッシコDOC は、同じソアーヴェでも似て非なる存在とも言われる。2001 年にDOCG に認定されたソアーヴェ・スペリオーレDOCG は地域の特徴をもっとも表わしているワインで、市場に出る前に最低2 年の熟成が必要。アルコール度数は12.5%以上であることが求められている。これに1998 年にDOCG 認定されたデザートワインのレチョート・ディ・ソアーヴェDOCG と、ソアーヴェには四つの顔がある。

右から、黒い玄武岩、玄武岩質の堆積物が酸化した赤土、黄土色の石灰岩による層状の土壌、そして白い石灰岩土壌のサンプル
右から、黒い玄武岩、玄武岩質の堆積物が酸化した赤土、黄土色の石灰岩による層状の土壌、そして白い石灰岩土壌のサンプル

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