グランプリを獲得した八重樫猛氏。2010 年大会の門間輝典氏以来3 大会ぶりに北海道に優勝杯を持ち返る
会員バーテンダー1600 人の頂点を決める2 年に一度の大会
(一社)日本ホテルバーメンズ協会(HBA)は、福岡市のホテルニューオータニ博多で同協会のバーテンダーによる全国大会「第31 回 HBA CLASSIC創作カクテルコンペティション チャンピオンシップ&カクテルフェスティバル2018」を開催。全国12 支部ある中から選ばれた21 人が出場し、オーセントホテル小樽(北海道)の八重樫猛氏が観光庁長官賞である総合優勝・グランプリを受賞した。
酒類や飲料、観光産業に関する幅広い知識や味覚、カクテルの創作力や調整技術を競うこのコンペティションは、協会最高峰の大会として位置付けられており2 年に一度開催されている。同協会における会員制度の改正に伴い、これまでホテルに勤務するバーテンダーに限られていた出場資格から街場で独立、あるいは勤務するバーテンダーの出場も可能になった。大会は二日間にわたり、6 月30 日には筆記試験による「ジェネナラル ナレッジ部門」と「ブラインドティスティング部門」が非公開で行なわれ、7 月1 日には「レギュラーワーク部門」と「創作カクテル部門」が公開された。
採点は順位に応じて各部門ごとに最上位を21 ポイント、最下位を1 ポイントとして、創作カクテル部門だけは他部門の3 倍のポイントが加算されるというものだ。前回大会優勝者の吉田宏樹氏(ホテルニューオータニ東京)は部門賞の獲得こそなかったが、全部門にわたって安定的に上位を確保してグランプリを勝ち取っており、バーテンダーとしての総合力が問われるのがこの大会の特徴でもある。
また、今大会では新たなチャレンジが盛り込まれている。これまでの「サービス接遇部門」に替わって採用された「レギュラーワーク部門」はバーテンダーとしての日常業務を想定したものだ。この部門では、各バーテンダーがステージ上で自身のタイミングでタイマーをスタートさせるとともに、カウンター上に伏せられたオーダーパットを確認することから始まる。バーに来店したゲスト5 名の注文しに対してスピーディーかつ正確に、商品価値の高いカクテルを提供するという場が想定されている。大会前に開示されたカクテル18 種類から当日のオーダーとして課されたのは、ビルドスタイルのカクテル「ネグローニ」と「ソルティドッグ」、ステアのカクテルとして「マティーニ」、そしてシェークによるショートカクテル「ギムレット」と「サイドカー」の5 品だ。
創作カクテル部門の試技を終えた時の八重樫氏。この時に何を思ったか