“ あの子は言葉をそのままにしか理解できない”
~親以外の大人たちとの会話が断絶されている子どもたち~
“誰でも良かった!”殺人にいたった加害者のひと言。むしゃくしゃしていた、その気晴らしにということでしょうが、帰ってくるべき人が忽然と消えた家族の衝撃は計りしれないものがあります。6 月9 日土曜日21 時台、新大阪へ向かう新幹線内で起きた殺傷事件はまさに今の若者世代を浮き彫りにしたように感じました。
祖母にわが子を養子にだした父親は“あの子は昔から変わっていた。言葉をそのままにしか理解できない”というコメントを残しました。例え養子に出したとしてもわが子のことを“あの子は変わっていた”と、よくまぁ、飄々と言えたものです。少し昔であれば“うちの子に限って”とわが子のことを信じ、実際に犯した罪について“ありえない”と否定していました。ところが事件を起こしたことが当たり前のごとく、“あの子なら何かを犯してもおかしくない”と言わんばかりです。