㈱龍名館 取締役
濱田 裕章 氏
資本力が小さいホテルだからこそ
丁寧なホテル作りを
今回も前回に引き続き、龍名館がホテルを立ち上げる際にこだわりを持って取り組んでいる理由について紹介していきます。
龍名館は社員数70 名ほどであり他社と比較すると決して大きい企業とは言えません。また事業規模も18 億円程度であり鉄道系や不動産系のチェーン企業と比較すると象とアリのようなものです。競争の激しい時代において、これら大企業と同じ土俵で勝負しては勝てるわけがありません。大手では一駅一棟、または一駅三棟のホテルがある企業も存在します。こういった企業と比較すると弊社は資本力が小さくグループでの経営効率も規模で負けてしまいます。このような状況で同じようなホテルを作っていては価格競争に巻き込まれ、体力は底を尽きてしまいます。
そのため龍名館は開発の際、常に自問自答するように検討を重ねています。ホテルは地域と共存していくビジネスなので、そもそもなぜこの場所でホテル事業を行なうのか、この場所で行なうことにどのような意義があるのか、などといったことを大切にします。既存2 棟については「100年以上前の創業者がこの場所を選んだ」という事実が先行しますが、「なぜ」を繰り返していくことで事業に対する意義や価値を見出していくことを大切にしています。