ホテル外観。立地は石垣空港から車で約18分、太平洋に面したマエサトビーチからほど近いエリアだ。デザインは今回もロンドンを拠点に活動し、英国トップ100プラクティスのアーキテクツジャーナルAJ 100リストにも掲載される「PDP LONDON LLP」が手掛けた
fav hospitality group㈱が9月9日、石垣島に「seven x seven」ブランド2つ目の施設となる「seven x seven石垣」をオープンした。
ゲストに過度な干渉や堅苦しいスケジュールから解放され、自由な滞在を楽しんでもらいたいと、“ラグジュアリーとセルフ・ホスピタリティ”を融合させた空間を創生した。必要な時に必要なものは届けられるが、ハウスキーピングなどについての時間軸は施設側ではなく個々のお客さまが決められる、“シームレスでパーソナライズされた”空間の提供をしていきたいという。そんな空間を彩るのはブランディングディレクター、デイビッド・ミスキン氏によりセレクトされた長谷川彰宏氏、本郷芳哉氏といった若手アーティストによるアート作品にプロサウナー集団“TTNE”が監修した2つのタイプのサウナ。フロントから繋がるファミリープール、さらにはジャグジー・カバナにプールバーも設えたインフィニティプールに加え、圧倒的な世界観がゲストを出迎えるナイトラウンジの「Red.」だ。さらに今回、メインダイニングの「BATIDA」とレストラン内に併設されたグロッサリー、及び「Lobby Bar」、「Sky Bar by BATIDA」、「Red.」の運営を㈱fridaysに託し、石垣島産の食材を中心に用いた“ラテンイタリアン”という、これまで石垣島の食文化にはなかったグルメ空間を用意した。
ファミリープール。フロントやシーサーサウナ(※シーサーの口から噴射される水、デイゴの花をイメージしたサウナストーブで霧を使った大胆なロウリュ体験を楽しめる)など複数のエリアに連なり、ジャグジーやカバナなどが併設されている
因みに「fav」ブランドや「seven x seven 糸島」同様に、本施設の客室もグループ向けの旅に適う仕様になっている。またワーケーションやホカンス、中長期滞在といった旅のスタイルにも応えるべく、おのおのの客室専用にwifi(※パブリックスペースは全館共通のwifiで対応)が設置されており、オンライン会議などにも活用できる大画面テレビ(※一部客室にはテレビに加え、大型スクリーンとプロジェクターも設置)も用意されている。加えて、全室にキッチンがあり、地元の食材を自ら料理して楽しむこともできるようになっている。このように、旅の数だけ楽しみ方をカスタムできる点も嬉しい。さらに同施設ではポイントで石垣島及び八重山諸島のカルチャ―をフィーチャーしつつも、軸となる部分は「seven x seven」の世界観を土台とすることでエリア特性とブランドがコンセプトとする空間のバランスを秀逸に取っている。逆にいえば、「seven x seven」ブランドの魅力はこの“バランス感覚”にあるといってもよく、彼らのセンスに触れるために同施設を訪問するだけでも、非常に価値があるといえる。
開業にさきがけて行われたセレモニーで石垣市長の中山義隆氏は、「『seven x seven石垣』の開業に、これまでにない、石垣島に新たな客層を取り込むことができる、レベルの高いホテルがオープンしたと実感しました。“このホテルに泊まるために石垣島にきた”と思えるランクのホテルだと感じます」とコメントした。筆者も中山氏のコメントに同感であり、さらにいえば「seven x seven」ブランドの世界観が石垣島に新たな価値や魅力を与えると言っても過言ではないと感じている。
fav hospitality group㈱では現在20以上の新規開業案件が進行しており、「seven x seven」ブランドも2025年の由布院での開業に向けてプロジェクトが進んでいるという。同社のアプローチ法と共に、今後の動向に注目していきたい。
「seven x seven 石垣」
https://sevenxseven.com/hotels/ishigaki/
「BATIDA」
https://www.hoteresonline.com/articles/13679
担当:毛利愼 ✉mohri@ohtapub.co.jp