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毛利愼の外食エンターテインメントVol.106

ススキノの老舗人気ジンギスカン、「成吉思汗だるま」が東京に初出店!

2024年08月08日(木)
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店舗入り口。オープン初日は150人越えの行列ができ、もっとも入店を待ったお客さまは6時間半待ったという。飲食店激戦区の上野御徒町に新たな“行列のできる人気店”、それも“超”がつく店が誕生した
店舗入り口。オープン初日は150人越えの行列ができ、もっとも入店を待ったお客さまは6時間半待ったという。飲食店激戦区の上野御徒町に新たな“行列のできる人気店”、それも“超”がつく店が誕生した

札幌のレジェンド店がまたひとつ、東京に上陸した。地元での人気が高いことはもちろんだが、出張族のリクエストトップ3に入るといわれている「成吉思汗(ジンギスカン)だるま」が上野御徒町に出店したのだ。
 
同店は昭和29年、寡婦となった初代が北海道でポピュラーだった羊肉を使い、庶民が気軽にたくさん、そして美味しく食べられるようにと工夫を重ね、ススキノに店を構えたことに端を発する。今回の東京進出に際し、3代目である副社長の金有燮(ゆそぷ)氏は「初代はいろいろと大変なこともあったと思います」と語ったが、想像するにそんな言葉ではすまないほどの思いもされてきたのだと思う。しかし、そんな中においても“すべてのお客さまに安くて美味しい羊肉をお腹いっぱい食べて欲しい”という思いを貫いてきた同店の羊肉、それもマトンを一口食べれば、今日札幌を代表する飲食店になるほどに初代が、そして彼らファミリーが真心を込めて羊肉を提供してきたことを理解してもらえると思う。
 
とにかくうまいのだ!
 
同店のマトンは札幌でもラム肉だと勘違いして食すお客さまが少なくないそうだが、実際、もし事前に説明されていなければ、“どれだけいいラムを仕入れているのか?”と聞きたくなるほどに臭みがない。もっといえば、ヒレ肉などは“これが本当に羊ですか?”と問いたくなるほど雑味のない、きれいな肉が提供される。
 
ちなみに同店のメニューは実にシンプルだ。肉はモモ、バラ、ウデ、肩ロース、ロースなどの部位が味わえる“成吉思汗(ジンギスカン)”に、脂身の多いロースと肩ロースを分厚くカットした“上肉”に希少部位の“ヒレ肉”のみだ。それもこれらすべてが"マトンの!"だ。それ以外に、たまねぎと長ねぎがミックスされた“お野菜”に、同店で長年愛され、毎日札幌で手作りされている“ママの手作りキムチ”。あとは突き出しで出される野菜の漬物にチャンジャと韓国のりのみ。味に自信がなければ勝負できないシンプルなラインナップだ。
 
今回、東京での出店にあたり金副社長には、“札幌と価格を変えたくない”という思いが強くあったという。しかし、家賃や食材費など現実的にそれらが難しい中、“だるまが東京にくるなら!”と多くの事業者からの協力があり、札幌の価格に輸送費を10円だけのせる形での出店が適った。また、“代を紡ぐことが大切だ”という社是のもと、司法書士として活躍していた4代目である金天憓(チョネ)氏が、司法書士とだるまの二刀流で、現在事業に参画している。
 
地方の人気店の底力や人気店の事業継承、そして地方から東京への出店など、同店の東京出店にはさまざまに考えさせられ、学ぶことが多かった。予約ができないことから長蛇の列に並ぶことは必須だが、またぜひ訪れてみたい。
 
成吉思汗だるま 上野御徒町店
https://sapporo-jingisukan.info/ueno-okatimati

ジンギスカン鍋のトップに羊の脂身をのせるのが“だるま”スタイル。こうすることで脂身から溶け出た旨味が肉や野菜にしみ、おのおのの素材がより美味しくなるという
ジンギスカン鍋のトップに羊の脂身をのせるのが“だるま”スタイル。こうすることで脂身から溶け出た旨味が肉や野菜にしみ、おのおのの素材がより美味しくなるという
肉はもちろんだが、羊肉の旨味と交わることで生み出される“お野菜”のたまねぎや長ネギの美味しさもぜひ、味わってもらいたい。“お野菜”のおかわりを重ねる常連のお客さまも少なくないというのも納得の味わいだ
肉はもちろんだが、羊肉の旨味と交わることで生み出される“お野菜”のたまねぎや長ネギの美味しさもぜひ、味わってもらいたい。“お野菜”のおかわりを重ねる常連のお客さまも少なくないというのも納得の味わいだ
写真左から“成吉思汗”、“ヒレ肉”、 “上肉”。当初は“成吉思汗”だけだったところに、脂身の多い上肉(※白肉)、ヒレ肉(※赤肉)が欲しいというリクエストが増え、ラインナップが増えたそうだ
写真左から“成吉思汗”、“ヒレ肉”、 “上肉”。当初は“成吉思汗”だけだったところに、脂身の多い上肉(※白肉)、ヒレ肉(※赤肉)が欲しいというリクエストが増え、ラインナップが増えたそうだ
“ヒレ肉”後方にあるにんにくととうがらしの薬味。タレに好みで足していただくのだが、これらがまた秀逸な味わいだ。にんにくはきざみと摺りを合わせた、とうがらしは辛味よりも旨味を感じる味わいで提供されている
“ヒレ肉”後方にあるにんにくととうがらしの薬味。タレに好みで足していただくのだが、これらがまた秀逸な味わいだ。にんにくはきざみと摺りを合わせた、とうがらしは辛味よりも旨味を感じる味わいで提供されている
“ママの手作りキムチ”。日々、2代目のママが手作りで仕込んでいる逸品。今回の東京出店が適った背景には、肉はもちろんだが、キムチや野菜漬けを札幌からススキノの店舗と同じクオリティで輸送・提供できる環境が整ったこともあったという
“ママの手作りキムチ”。日々、2代目のママが手作りで仕込んでいる逸品。今回の東京出店が適った背景には、肉はもちろんだが、キムチや野菜漬けを札幌からススキノの店舗と同じクオリティで輸送・提供できる環境が整ったこともあったという
常連のお客さまに人気の“裏メニュー”!タレの残りにライスを入れ、番茶を注ぐお茶漬け。焼いた肉やキムチ、チャンジャや韓国のりなど、都度、残った食事をカスタムして食べるのが通な味わい方だそうだ。タレを番茶で割っただけのスープで酔い覚ましされるお客さまも
常連のお客さまに人気の“裏メニュー”!タレの残りにライスを入れ、番茶を注ぐお茶漬け。焼いた肉やキムチ、チャンジャや韓国のりなど、都度、残った食事をカスタムして食べるのが通な味わい方だそうだ。タレを番茶で割っただけのスープで酔い覚ましされるお客さまも
一滴も水を加えず、よいち町のりんごを丸ごと搾った美味しさが人気の“りんぼのほっぺ”。同店ではそのチューハイを飲むことができる。2代目が中学生の時に描いた、“だるま”の絵のオリジナルグラスで飲むのも楽しい
一滴も水を加えず、よいち町のりんごを丸ごと搾った美味しさが人気の“りんぼのほっぺ”。同店ではそのチューハイを飲むことができる。2代目が中学生の時に描いた、“だるま”の絵のオリジナルグラスで飲むのも楽しい
ジンギスカン鍋がのせられる炭火。各々の席にスタッフがつき、基本的な“焼き”を担当してくれる。インバウンドも多いことから外国人スタッフも多く、国際色豊かな中で羊肉の美味しさを楽しむことができる
ジンギスカン鍋がのせられる炭火。各々の席にスタッフがつき、基本的な“焼き”を担当してくれる。インバウンドも多いことから外国人スタッフも多く、国際色豊かな中で羊肉の美味しさを楽しむことができる

担当:毛利愼 ✉mohri@ohtapub.co.jp

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