日本初寄港のノルウェージャン スピリット 2024年5月26日、東京にてアジアでの デビュークルーズ後は清水、神戸、那覇などの港を10日かけて巡った。 (写真提供NCL)
世界クラスのホスピタリティと革新性で知られるノルウェージャンクルーズライン・ホールディングスは、3つの特徴的なブランドとカテゴリーを擁している。ノルウェージャンクルーズラインはプレミアム・コンテンポラリーの最高峰、オーシャニアクルーズはプレミアム、リージェントセブンシーズクルーズはピュアラグジュアリーと言える。
今回、ノルウェージャンクルーズラインのAPAC地域担当副社長兼マネージング・ディレクターのベン・エンジェル氏に、同社の特徴やクルーズ市場の動向について聞いた。
取材・文 金納ななえ(TAROラグジュアリーメディア編集長)
プロフィール
Norwegian Cruise Line
VP & Managing Director, APAC Region Ben Angell
ノルウェージャンクルーズラインチームとの対談(左から)日本代表矢島隆彦氏、著者、APAC VP&マネジングディレクターベン・エンジェル氏、 APAC営業部長ダミアン・ボルグ氏
□まずは、ベン氏の経歴についてお聞きしたいと思います。
私はトラベルとホスピタリティ分野でキャリアをスタートし、30年以上が経ちます。イギリスでは、カリブ海やアメリカ、その他のデスティネーションを中心としたツアーオペレーター、ビジターアトラクション、航空会社などで働いてきました。過去14~15年間は、私の真のパッションであるクルーズ業界に専念しています。ノルウェージャンクルーズライン・ホールディングスには9年近く在籍しており、当初はアジア太平洋地域で3ブランドのマーケティングを担当していましたが、コロナ禍直前にノルウェージャンクルーズラインのマネージング・ディレクターに就任しました。アジア太平洋地域の素晴らしいチームと協力し、パンデミックを乗り越え、パンデミック後のエキサイティングな復興を経験し、私のキャリアで最もスリリングな時期の一つとなりました。
□国際クルーズライン協会(CLIA)の組織や、ベン氏との繋がりを教えてください。
国際クルーズライン協会(CLIA)は世界中のクルーズ会社を代表する組織で、ほぼすべてのクルーズラインが加盟しています。CLIAは、複雑なクルーズ商品に関する旅行代理店のトレーニングを支援し、政府との協議やインフラ整備、港へのアクセスなど、業界のニーズを代弁しています。私は5月までの2年間、CLIAオーストラリアの議長を務めました。CLIAはまた、業界の統計を統合し、成長やCOVID後の回復に関する貴重な見解を提供しています。
□NCLの最新情報やトレンドについてお聞きします。
昨年末、私たちは前例のない先行予約を受け過去最高の業績を達成しました。この勢いは、予約の重要な時期である年初3カ月のWAVEシーズンにも続きました。NCLは、アジア太平洋地域において2019年の水準を上回る力強い消費者需要を経験しました。最近、ノルウェージャン スピリット、サン、スカイの3隻の配船を発表しました。アジアに焦点を当てた50以上の旅程を持ち、この地域で最大の配船を提供しています。これらの客船は、各港で平均10時間停泊という、ほとんどのクルーズ会社を上回る長時間の滞在時間で、没入感のある体験を提供しています。これは、寄港地の観光だけでなく、ソースマーケットにおいても、各地域への私たちのコミットメントを示しています。
最近、CEOのハリー・ソマーが投資家達を集め、アジア地域に特化したエキサイティングな発表を行ない、弊社の将来について語りました。非常に前向きな発表と2036年までの新造船計画により、アジアを重要な市場と位置づける見通しを強めています。パンデミック以降の日本の復興は有望であり、トレードパートナーにとってNCLのクルーズを国内外に広める新たな機会となります。ハワイやヨーロッパなど、日本の旅行者に人気のデスティネーションへの販売だけでなく、この3隻のクルーズが地元に配船することで、トレードパートナーに新たな販売機会を提供し、NCLの商品を体験したことのない人たちに身近な場所で体験してもらうきっかけとなります。
写真提供NCL