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毛利愼の外食エンターテインメントVol.95

「星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳」の「OTTO SETTE」、装いも新たに全面リニューアルオープン!

2024年05月16日(木)
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店舗内観。新たな空間は、“KDs クライン ダイサム アーキテクツ”がデザイン。熟成・貯蔵の折にワインがカーヴに抱かれるように、特別感がありつつもアットホームな温かさのある雰囲気の中で、八ヶ岳のテロワール、ワインと野菜のマリアージュを心ゆくまで堪能できる空間へと生まれかわった
店舗内観。新たな空間は、“KDs クライン ダイサム アーキテクツ”がデザイン。熟成・貯蔵の折にワインがカーヴに抱かれるように、特別感がありつつもアットホームな温かさのある雰囲気の中で、八ヶ岳のテロワール、ワインと野菜のマリアージュを心ゆくまで堪能できる空間へと生まれかわった

日本初のワイン特区である山梨県北杜市にある「星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳(以後、リゾナーレ八ヶ岳)」は、ファミリーリゾートとしてのみならず、今やワインリゾートとしても高い人気を誇っている。特に2000本以上の山梨及びイタリアワインを有し、八ヶ岳の食材がふんだんに使われたテロワールイタリアンとのマリアージュを楽しめるメインダイニング「OTTO SETTE」は、開業以来幅広い層のお客さまから愛されている。その「OTTO SETTE」がこの度、全面リニューアルオープンした。
 
今回のリニューアルに際し、「リゾナーレ八ヶ岳」は“KDs クライン ダイサム アーキテクツ”にデザインを依頼。高い吹き抜けが印象的だったこれまでのスタイリッシュな装いから一変、ワインカーブから着想を得たという半個室(※個室もある)、ワイン樽に使われるオーク材が使われたインテリア、ワインやテロワールを感じさせる色使いなど、“ワインというストーリー”を各所で感じられる雰囲気の中で食事を楽しめる空間に生まれ変わった。
 
変化は「OTTO SETTE」が提案する料理、そしてワインとのペアリングにも反映されている。
 

「OTTO SETTE」では今回のリニューアルに際し、これまで以上に八ヶ岳のテロワールが生み出す“口福”をお客さまに味わってもらいたいと、新たなコンセプトとして“Vino e Verdure(ワインと野菜)”を掲げた。「この土地ならではの“食材との出会い”を感じていただけるイタリア料理を提供していきたい」と鎌田匡人料理長
「OTTO SETTE」では今回のリニューアルに際し、これまで以上に八ヶ岳のテロワールが生み出す“口福”をお客さまに味わってもらいたいと、新たなコンセプトとして“Vino e Verdure(ワインと野菜)”を掲げた。「この土地ならではの“食材との出会い”を感じていただけるイタリア料理を提供していきたい」と鎌田匡人料理長

料理の新たなコンセプトは“Vino e Verdure”。
 
同店ではこれまでも八ヶ岳の食材をフィーチャーすべく、それら食材の美味しさを一皿一皿の上に表現してきた。その想いは店名にある“SETTE”が、“食材を提供する7人の達人(※達人は主に地元の生産者であり、季節によりその顔ぶれは変わる)”を意味していることからもうかがえる。
 
今回の取り組みではそんな“想い”にも新たな一面が加わった。もともと高原野菜の美味しさには定評のある八ヶ岳だがその気象条件は北イタリア似ており、イタリア野菜の生育にも適しているそうだ。そこで、鎌田料理長が得意とする“北イタリア料理のエスプリ”をより強く八ヶ岳食材で表現するため、今後、地元の生産者に依頼する形で日本ではまだ希少性の高いプンタレッラ、カルチョフィ、タルティーボなどのイタリア野菜の栽培にも挑戦していくという。このことは料理に厚みを持たせるだけでなく、地元とのつながりをより強くすることになるだろう。さらに、“想い、食材、空間”、そして同店が創業の際に掲げた“地域ならではの食材との出会い、素材本来の持ち味を活かしたイタリア料理の提供”というテーマへの原点回帰にも向き合った。そこで鎌田氏が打ち出したのが、前菜からデザートまで“すべてに野菜が使われているコース”で勝負するというアプローチだ。
 
現在、「OTTO SETTE」の食事は宿泊のお客さまのみとなっており、宿泊以外では味わうことが難しい。しかし宿泊するからこそ楽しめる “ワイン時間“がそこにはある。もちろん、「OTTO SETTE」のワインペアリングディナーがその筆頭にあるのはいわずもがなだ。しかし、ワインは好きだが、食事の際は2,3杯のワインが心地よいというお客さまもあるだろう。その場合にも、例えばデキャンタカラフェやグラスがリーデルで揃えられた客室の“ワインスィートメゾネット”に滞在する、 入手困難といわれる“ドメーヌ ミエ・イケノ”のワインも含め、さまざまな山梨ワインが試飲できる「八ヶ岳ワインハウス」(※気にいれば購入することもでき、さらに同店で購入したワインは施設内のレストランやカフェなどにおいて無料でBYOが可能)でテイスティングを楽しむ、八ヶ岳チーズなどがセレクトされたワインのお供・“VINO BOX”と共に客室でワインを楽しむなど、それぞれのスタイルで“ワイン時間“を楽しむのも同施設を訪れる魅力だ。
 
今回、同施設が手掛けたメインダイニングのリニューアルは、歴史を持つ施設が新たな魅力を創生する際に大きく参考となる事例であると筆者は考える。それには、“軸は守りつつも、インパクトと厚みという形で変化を提案”した料理長の存在も大きい。
 
“歴史と革新、そこからの未来”をテーマにする事業者はぜひ、新生「OTTO SETTE」を訪ねてみてもらいたい。
 
「星野リゾート 八ヶ岳」
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/risonareyatsugatake/
 
「OTTO SETTE」
https://hoshinoresorts.com/jp/sp/ottosette/

コースのはじめに提供される“野菜のクロッカンテ”。 赤がトマト、緑がバジル、茶色がポルチーニをベースに作られており、力強い味わいにその後に続く“Verdure”への期待が刺激される
コースのはじめに提供される“野菜のクロッカンテ”。 赤がトマト、緑がバジル、茶色がポルチーニをベースに作られており、力強い味わいにその後に続く“Verdure”への期待が刺激される
アスパラガスを細切りにしてパスタ仕立てにした食感が美味しい“アスパラガスとふきのとうのアッルンガータ”。ソースに使われたアスパラのピューレやゆで汁の甘みをふきのとうの苦みが引き立てている。同じ調理法で他の食材でも食べてみたいと思わせる、“旬の野菜の旨味”が溢れる贅沢な一品だ
アスパラガスを細切りにしてパスタ仕立てにした食感が美味しい“アスパラガスとふきのとうのアッルンガータ”。ソースに使われたアスパラのピューレやゆで汁の甘みをふきのとうの苦みが引き立てている。同じ調理法で他の食材でも食べてみたいと思わせる、“旬の野菜の旨味”が溢れる贅沢な一品だ
八ヶ岳の“野菜畑”を表現すべく、色とりどりの野菜に生ハムやパテドカンパーニュが共に供される「OTTO SETTE」のシグネチャープレート、“畑の前菜”
八ヶ岳の“野菜畑”を表現すべく、色とりどりの野菜に生ハムやパテドカンパーニュが共に供される「OTTO SETTE」のシグネチャープレート、“畑の前菜”
貝を具材に用いた、“クレソンのジェノベーゼとリングイネ”。フレッシュとソース、ふたつのアプローチでクレソンの美味しさを味わうことができるさわやかな一品
貝を具材に用いた、“クレソンのジェノベーゼとリングイネ”。フレッシュとソース、ふたつのアプローチでクレソンの美味しさを味わうことができるさわやかな一品
グリル、ボイル、生マリネと3種の調理法がほどこされたあやめ雪蕪が美味しい“あやめ雪蕪とシカ肉のコトレッタ”。味付けには山梨の名物・すりだねが使われている
グリル、ボイル、生マリネと3種の調理法がほどこされたあやめ雪蕪が美味しい“あやめ雪蕪とシカ肉のコトレッタ”。味付けには山梨の名物・すりだねが使われている
デザートで供された“牛蒡のティラミス”。テロワールの滋味はそのままに、洗練したあじわいに仕立てられており、赤ワインとの相性もいい
デザートで供された“牛蒡のティラミス”。テロワールの滋味はそのままに、洗練したあじわいに仕立てられており、赤ワインとの相性もいい
ペアリングコースには山梨産とイタリア産から9杯のワインがセレクトされている。それぞれ素晴らしい味わいだが、中でも山梨産からのセレクトは、日本ワインのクオリティの高さを感じるものばかりだ
ペアリングコースには山梨産とイタリア産から9杯のワインがセレクトされている。それぞれ素晴らしい味わいだが、中でも山梨産からのセレクトは、日本ワインのクオリティの高さを感じるものばかりだ
同店が所蔵する酒類には国産のグラッパもある。生産数の少ない銘柄も多いが、だからこそ出会える“一期一会の味わい”もあり、ディナーの〆に味わってみるのも一興だ
同店が所蔵する酒類には国産のグラッパもある。生産数の少ない銘柄も多いが、だからこそ出会える“一期一会の味わい”もあり、ディナーの〆に味わってみるのも一興だ

担当:毛利愼 ✉mohri@ohtapub.co.jp

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