「カジュアル&モダン」をコンセプトにローズステイはレジャー需要にも応える
----オーナーに向けてリブランドのプロジェクトに関する話を進める際、求められる要素は何ですか。
宏道 基本的に重視しなければならないのは、オーナーとのパートナーシップです。オーナーが私たちをどのように見てくれているのか、長期的な視野で考えてくれているのかについて、私たちは注視する必要があります。もちろんオーナー側も同様に、私たちを観察しています。それは結婚のようなもので、今回の案件ではご縁が上手くつながったということです。
お互いに協力していかない限り、ホテルのプロジェクトは最終的に上手く着地できません。大きな金額を投資しているオーナーも、長い時間を投資している私たちも、妥協は決して許されません。両者が納得するためには、ビジョンを共有しながら一緒に取り組んでいく必要があるのです。定期的なミーティングを積み重ね、関係性を深く構築していくことが不可欠となります。
宏為 旧三田会館の築いてきたものをローズステイが変えてしまうということではなく、「三田の隣人」として地元の環境を活かした展開を図っていく姿勢が私たちに求められていると考えています。
三田エリアにあるローカルなリソースを活かした訴求をすることで、家族や友人とこの土地を訪れてみたいと思っていただける取り組みを、柔軟な発想で続けていけたらと考えています。プロジェクトごとに柔軟性を持ってホテルを創り上げていく必要があると考えていますし、その土地ごとの魅力を活かすことができるブランドがローズステイであると明言できる形を築き上げていきたいと思います。
宏道 ローズステイのコンセプトは「カジュアル&モダン」であり、単なるビジネスタイプのホテルではなく、レジャーのニーズにも応えられるホテルを目指しています。そのため旧三田会館ではオフィスのようなモノクロ基調の色合いだった客室を、カラフルな空間にリノベーションしたりもしています。
レジャーのニーズも意識した作り込みをさまざまな面で施したことで、単価アップも図っていけると考えています。
----ローズホテルズ・インターナショナル、重慶飯店の会員組織「ドラゴンポイントクラブ」の動きはいかがでしょうか。
宏道 新型コロナウイルスの影響を受ける中でも、ドラゴンポイントクラブの会員数はおかげさまで増加しています。現在約 10万名のメンバーを抱える会員組織にまで成長してきています。メンバーの皆さまに向けては、専用のアプリを通じて関連情報をプッシュ通知しています。
ローズステイ東京芝公園に関しても毎週のように情報発信することで、そこから逆に私たちが得られるものをマーケティングに活かしながら、2軒目、3軒目のプロジェクトにつなげていきたいと思います。
ロイヤリティープログラムを充実させることでドラゴンポイントクラブの皆さまがより強固なファンとなり、ローズステイにおいてもバックボーンを形成してくださる存在になっていただければありがたいです。