インバウンドに「ディスカバー東京」の魅力を訴求できるローカルな歴史を活かす
----横浜中華街とは異なる東京・三田の立地でホテル運営を始めることに対して、当初どのような捉え方をしましたか。
宏為 観光のデスティネーションとして大きな魅力を持っている横浜中華街とは異なるロケーションですから、やはりチャレンジでした。ただ、重慶飯店については各地にレストランを出店してきた経験がありますので、その知見を活かしながら横浜とは別の場所に進出するホテルビジネスへの挑戦には価値があると考えていますし、そこにチャンスがあるとも思います。
三田という土地を研究してみると、ローカルで多様な歴史を発見することができます。そのことから、インバウンドに対しても「ディスカバー東京」という魅力をアピールすることができる場所だと思っています。
また今回、ローズステイ東京芝公園にリノベーションさせていただいた前身の旧三田会館の客層を維持しながら、新たなマーケットへの訴求も加えることで、さらにお客さまの層を広げていける可能性があると見ています。プラスアルファのマーケットに打って出ることができる施設として検討を進めてきました。
宏道 労働会館だった旧三田会館のお客さまのほとんどが、地方からの出張で利用される組合員の方々だったと聞いています。そのため平日の稼働がメインになっていたということで、ローズステイの課題は週末をどのように稼働させるかにあります。横浜中華街の立地とは真逆の条件ですから、その点でもチャレンジをしていかなければなりません。別の味方をすれば、そうした新しいビジネス展開に取り組めることに喜びを感じています。
ローズステイ東京芝公園はファミリーやカップルのニーズを獲得していきたいと考え、トリプルルームも創りました。結果として旧三田会館から働いてきた支配人からも「ローズステイにリブランドしてから客層が変わりました」と報告を受け、まさしく私たちがターゲットとしたマーケットのお客さまのニーズにヒットしていると感じることができました。これからさらにポテンシャルが掘り起こされていくと予測しています。
宏為 館内にフラッグシップレストランがあり、宴会場や屋外プールも備えているローズホテルはフルサービス型のブランドであるのに対して、ローズステイは宿泊重視のリミテッド型のブランドとなります。 ローズホテルの顧客の方々が混乱しないように、ポジショニングをわかりやすく分けることにしています。