品質と価格のバランスを重視しながらSDGsに寄り添ったアメニティーを選定
----グランドハイアット東京では SDGsに関する取り組みについて、どのような方向性をベースに進んでいきますか。
SDGsに関しては、特にアメニティーについてプラスチックを使用していないアイテムに替えていく方向性で取り組んでいきたいと考えています。また、ハイアットグループ全体でもSDGsの取り組みを進めていて、品質と価格のバランスを重視しながら新しいアメニティーの選定を行っています。私たちもハイアットからアドバイスをもらいながら、適切な切り替えに向けた取り組みを続けていくことになるでしょう。
サイズやセレクションなど、私たちが希望するものをマーケットで見つけるのが難しいのが現状ですが、数年前に比べるとエコパッケージで手に入りやすくなっているものも出てきていますので、導入を検討するケースはこれから増えていくと思います。
おそらくバスルームで使用するアメニティーの切り替えが中心になると思います。たとえば歯ブラシにプラスチック包装が施されていたりもしますので、そういった部分での削減についても重点的に取り組んでいきたいと思います。
----SDGsに関してはハイアットに加えて、森ビルホスピタリティコーポレーションからの指示やアドバイスもあるのでしょうか。
森ビルホスピタリティコーポレーションの主導によりSDGs推進プロジェクト委員会が発足され、私自身も委員会のメンバーの 1人として名を連ねさせていただいています。同委員会の活動に歩調を合わせる形で、今後はホテルのチームメンバーも巻き込みながら活動を推進していくつもりです。ハイアットとしても、森ビルホスピタリティコーポレーションとしてもSDGsに取り組むマインドを持っていますので、今後も変わらずにその活動を継続していくことになるでしょう。
現在はコロナの影響で特殊な状況であるため、グランドハイアット東京の宴会部門は婚礼がメインになっています。着席式であらかじめ決まった料理をサーブする形がメインであることから、フードロスの観点から言うと今のところマネージできている状態にあります。
ただ、今後コロナが落ち着いてきて、ブッフェによる立食の一般宴会が増えていけば、自ずとフードロスの対策を強化していくことが求められるようになるはずです。ブッフェを希望されるお客さまはコーポレートのクライアントが多くなりますが、あらゆる分野の企業において SDGsに対する意識は高まる一方であると感じています。その潮流が強まっていく中で、グランドハイアット東京が取り組もうとしている SDGの活動について説明しながら、よりよい商品を提供することで、お客さまの理解を得ることができると考えています。
----今後の営業目標についてどのような見通しを持っていますか。その中で、従来のお客さまの回復予測とこれからねらうべきターゲットについて、どういった方針を立てていきますか。
いずれコロナの状況が改善するという前提に立つならば、2023年に向けて稼働率に関する目標を高めていきたいと思います。インバウンドの動きがこれからどのように変化していくのか依然として先が読めない状況ですから、2022年にGo To トラベルキャンペーンなどのポジティブな要素が起こってくることを期待しています。 その一方で、コロナ禍になってから新しい顧客層を獲得できたことが成果につながっているという側面があるのも確かです。今の時期だからこそ販売できる価格帯を提示することによって、これまで開拓できなかった幅広い客層を惹きつけることができたことで成功がもたらされたと考えています。
国内のお客さまに向けて魅力的な商品とサービスを開発していくという意味では、2021年のクリスマスに販売した10台限定の3万5000円のクリスマスケーキが 2日間で売り切れた実績が成功事例として参考になると思っています。たとえコロナ禍であっても、多くのお客さまは積極的にユニークな商品やサービスを楽しみたいと思っていると感じています。
そうしたニーズに応える魅力的な商品やサービスを、グランドハイアット東京は引き続き数多く開発していきたいと考えています。
----厳しいマーケット環境においてチームメンバーを牽引していく、新しい総支配人像を築き上げていかれることを期待しています。本日はどうもありがとうございました。