コロナ禍における飲食店に対するさまざまな規制は業務用の氷を降ろす氷専門店にも大きな打撃となっている
コロナによる生産業者の困窮によりそうべく2020年よりスタートした「星野リゾート」の“もったいないプロジェクト”。本連載でも既報であるその取り組みが今夏テーマとして選んだのは氷専門店に対する応援だ。
コロナ禍における飲食店の苦境は周知であるが、飲食店経営に関わる生産者や関連業者の苦境についてはいまだ、行政機関の補助や助成が十分でないのが現状だ。その中で時短営業に加え、酒類提供禁止の要請により消費が激減したのが純氷と呼ばれる氷専門店により作られる高品質の業務用氷だ。いまだコロナの収束が見えない中、夏季のおけるさまざまなイベントが中止となる中、昨年よりもこれら業務用氷の消費が減少することが懸念されることから同社ではもったいないプロジェクトのコンテンツとして、「界」ブランドにおける“ご当地かき氷”として提供することにしたという。
ちなみにこの“ご当地かき氷”、ご当地と銘打つだけあってシロップに見る各施設のこだわりにも「界」らしさが反映されており、多くの施設でご当地食材を使ったシロップが提供されている。当プロジェクトが最初に手掛けた「森林ノ牧場」の牛乳から作ったミルクジャムは栃木にある3つの「界」で提供されるかき氷に使用されている。このメニュー開発からは、「星野リゾート」が本プロジェクトを“旬食材”の廃棄危機に対して行なうだけでなく、生産者への持続的な支援としても取り組もうとしている姿勢を感じる次第だ。
残念ながら東京オリンピックが無観客開催となり、インバウンド再開が先延ばしとなってしまった今夏であるが、「界」ブランドが提供するご当地シロップにはインバウンドにとっても魅力的なメニューが数多く提供されている。今年、氷専門店の窮状を支援することでインバウンド再開が期待される来夏は世界中の人々にご当地シロップで味わうかき氷をぜひとも楽しんで貰いたいものだ。
星野リゾート
https://www.hoshinoresorts.com/
担当:毛利愼 mohri@ohtapub.co.jp