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毛利愼の外食エンターテインメントVol.29

パリを魅了した青木姉弟の第二章が東銀座で幕をあける

2021年09月29日(水)
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店舗外観
店舗外観

東銀座にまたひとつ、名店誕生の予感だ。長らくパリのシャンゼリゼの裏通りの繁盛店を経営してきた青木三代子、誠の姉弟が新たな門出となる店舗、「LES FRÈRES AOKI(レフ アオキ)」を開業したのだ。彼らは銀座の老舗寿司店「銀座 鮨青木」初代(現在は長男の利勝氏が跡を継いでいる)である青木義氏を父に持つ。「帝国ホテル」「ロオジエ」で活躍した誠氏がフランスへ旅立った後、三代子氏も渡仏。三ツ星レストランでの修行などを経て、姉弟二人は共同オーナーと共にパリに「Restaurant Ô Rebelle」を構えた後、裏シャンゼリゼに「Restaurant Makoto AOKI 」を開業する。いずれも地元客はもちろんのこと、在仏及び観光でパリを訪れた邦人の舌をうならせた。そんな名店の味がこれからは東銀座の地で味わえる。

オーナーの青木誠氏(左)と青木三代子氏(右)。店名にもある。「LES FRÈRES 」とはフランス語で「兄弟」の意味。「銀座 鮨青木」から実家までの通り道に「レフ アオキ」が位置するといい、「銀座 鮨青木」を手伝う母に仕事帰りによってもらえるロケーションに店をオープンできたことも嬉しいと語る
オーナーの青木誠氏(左)と青木三代子氏(右)。店名にもある。「LES FRÈRES 」とはフランス語で「兄弟」の意味。「銀座 鮨青木」から実家までの通り道に「レフ アオキ」が位置するといい、「銀座 鮨青木」を手伝う母に仕事帰りによってもらえるロケーションに店をオープンできたことも嬉しいと語る

そこでまずコロナ禍での帰国について伺ってみた。「図らずもこのタイミングになってしまったのですが、コロナ禍だから帰国したのではなく、3~4年前から帰国を考えており、商業権売却の関係でこの時期になりました。ちなみにあと帰国が3 日〜1週間遅れていたら入国できなかったかもしれず、帰国できたことに奇跡を感じています」。パリ時代と東銀座店はどのようなメリハリをつけていくのだろうか? 「パリ時代は30 席強で客席からキッチンが見えませんでしたが、今回はカウンターのみ10 席なので、お客さまとお話したりコミュニケーションを図りながら料理ができるスタイルになりました。またパリ時代の人気メニューも継承しつつ、日本ならではの食材も活かしながら新たなわれわれの味を提供していきたいと考えています。そこには長年パリで経験を積んできたからこそ表現できるものがあると思いますし、それをさらにブラッシュアップした形でお客さまにご提供できたらと思います」。同店ではスペシャリテは特に決めず、単一食材をさまざまな味わいで一皿に表現するなど、「何を食べているのかストレートに伝わる料理」を意識していきたいという。今、東銀座が熱い。同店の登場はその熱さにエネルギーを与える存在になると期待している。
  
「レフ アオキ」
https://www.facebook.com/lesfaoki

Risotto au Iwanori et Congre(岩海苔のリゾット、穴子のベニエ)。パリ時代から出しているお料理の一つで、今回は日本の岩海苔をふんだんに使うことで、日本のエスプリを表現した
Risotto au Iwanori et Congre(岩海苔のリゾット、穴子のベニエ)。パリ時代から出しているお料理の一つで、今回は日本の岩海苔をふんだんに使うことで、日本のエスプリを表現した
Pigeon Rôti Sauce Salmis aux Champignons et Confit d’échalotes, Gratin Dauphinois(仔鳩のロースト 内臓のソース、季節のキノコのソテーとエシャロットコンフィー、ジャガイモのグラタン)内臓はソースに使い、仔鳩のもも肉、胸肉、内臓など、一羽余すことなく使用した要予約の一皿
Pigeon Rôti Sauce Salmis aux Champignons et Confit d’échalotes, Gratin Dauphinois(仔鳩のロースト 内臓のソース、季節のキノコのソテーとエシャロットコンフィー、ジャガイモのグラタン)内臓はソースに使い、仔鳩のもも肉、胸肉、内臓など、一羽余すことなく使用した要予約の一皿
Terrine de foies de volaille(白レバーのテリーヌ)たまねぎ、白レバー、牛ハツの脂のみで作ったテリーヌ。赤ワインで煮たイチジク、イタリアピエモンテの夏トリュフをカリッと焼いたカナッペにのせた
Terrine de foies de volaille(白レバーのテリーヌ)たまねぎ、白レバー、牛ハツの脂のみで作ったテリーヌ。赤ワインで煮たイチジク、イタリアピエモンテの夏トリュフをカリッと焼いたカナッペにのせた
BaBa au Rhum(ラム酒のスポンジケーキ)「レフアオキ」の定番で、パリ時代から愛され続ける人気デザート。ゲストの目の前で、ラム酒の“DIPROMATICO”をたっぷりかけて完成させる
BaBa au Rhum(ラム酒のスポンジケーキ)「レフアオキ」の定番で、パリ時代から愛され続ける人気デザート。ゲストの目の前で、ラム酒の“DIPROMATICO”をたっぷりかけて完成させる
プロヴァンスの友人が送ってくれたハーブ(上がTILLEUL、下がVERVEINE)。これらのハーブを食後にお客さまに出すことも
プロヴァンスの友人が送ってくれたハーブ(上がTILLEUL、下がVERVEINE)。これらのハーブを食後にお客さまに出すことも
パリ時代とは違い、カウンターのみ10席の店舗だが、お客さまとのコミュニケーションを取りながら料理を出来る環境を楽しみたいと誠氏。アクセントになる扉が欲しいと探していたところ出会ったアンティークの扉は1980年代にロンドンの家庭で使われていたものだ
パリ時代とは違い、カウンターのみ10席の店舗だが、お客さまとのコミュニケーションを取りながら料理を出来る環境を楽しみたいと誠氏。アクセントになる扉が欲しいと探していたところ出会ったアンティークの扉は1980年代にロンドンの家庭で使われていたものだ

​担当:毛利愼 mohri@ohtapub.co.jp

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