芭蕉の名句で知られる山寺
　宝珠山立石寺という正式な名前を持つ「山寺」は、平安時代初期860 年に開かれたと伝えられる。寺伝によれば、清和天皇の勅命により、平安の名僧・円仁（慈覚大師）が開山したとされる、天台宗の名刹である。しかし、観光的には、通称「山寺」としてよく知られており、山形県でも有数の目玉観光名所となっている。この寺が有名になったのは、江戸時代に奥の細道を極めた、俳人松尾芭蕉が門人、河合曽良とともにこの寺を参拝し、その時に詠んだ俳句「閑しずけさや巌いわにしみいる蝉の声」がよく知られるようになり、観光客が多数訪れるようになった。最近では年間70 ～ 80 万人が訪れており、清らかで静かなところとして知られている。近年は、世界的な旅行ガイドブック「Lonley Planet」の「Planet in travel 2020」にランクインし、海外からの観光客も多い。

人口当たり工業出荷額全国第23 位
　山形県の面積は9323.2㎢で全国9 位と、青森県より小さく、鹿児島県より大きい。人口は108.2 万人で全国36 位。富山県より多く、宮崎県より少ない。年齢構成をみると、14 歳以下の幼年人口は11.4％、15 ～ 64 歳の生産年齢人口は55.4％、65歳以上の老年人口は33.1％で、全国と比較すると、老年人口比率が高くなっている。県民分配所得は3.2 兆円で全国34 位。

　一人当たり所得は292.3 万円であり、全国で長野県に次いで26 位となっている。産業別構成比をみると、第1 次産業は3.7％、第2 次産業は32.1％、第3 次産業は64.2％で、全国平均と比べると第1 次産業比率が高い。工業出荷額は2.9 兆円で全国29 位、人口当たりは261.6 万円で全国23 位となっている。

ホテル数は全国平均を下回る
　飲食店数は14 年で5741 店。内訳をみると、食堂・レストランが702 店で12.2％、専門料理店が1580 店で27.5％を占める。その中で多いのは中華料理店の702 店で12.2％を占める。次いで日本料理店が371 店の6.5％と続いている。そのほか、すし店が225 店（3.9％）、そば・うどん店が434 店（7.6％）となっている。また遊興飲食店のバー・キャバレー・ナイトクラブは1225 店（21.3％）、酒場・ビアホールは1186 店（20.7％）と多く、両者で42.0％を占める。以上のほか喫茶店は262 店（4.6％）、ハンバーガーなどその他の飲食店は116 店（2.0％）である。09 年調査から飲食店から分離された「持ち帰り・配達・飲食サービス業」は489 店である。ホテル・旅館の施設数は18 年で816 軒、客室数は2 万135 室で、2010 年からの伸び率をみると、施設数は全国の▲ 12.6％に対して当県は▲ 17.5％、客室数は全国の5.0％に対して当県は▲ 7.2％の伸びで、ともに平均を下回っている。

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