今回取り上げるのは徳島県の県庁所在地、徳島市。徳島県全体として高齢化が進展し、マーケットポテンシャルも低下しているが、環境問題への新しい取り組みや里山を保全する取り組みなど、既存の経済的尺度では測れない都市の価値観が生まれている。以下に徳島市のマーケットポテンシャルと徳島県の観光マーケットを見ていこう。
1. マーケットポテンシャル
徳島市の人口は25 万2530 人(2019年1 月1 日人口)で、徳島県内の人口シェア33.9%と県内で最も多い人口を有している。しかし、四国4 県の県庁所在地の中では最も人口規模が小さく、中心都市としては人口ポテンシャルが比較的低いレベルと言える。その他の県内主要都市を見ると、徳島市以外の都市で人口10 万人以上の都市は見られないことが分かる。その中で阿南市が7 万3162人、鳴門市が5 万7399 人で県内では徳島市に次ぐマーケットを有している。県内第2 の都市である阿南市が徳島市の2 割強の人口にとどまることからも、徳島県内における人口構造は徳島市の一極集中であることが分かる(図表1)。
増加率(19 年/ 14 年)を見ると、県内主要都市すべてにおいて減少傾向にあることが分かる。その中で徳島市は▲ 1.4%の微減で、主要都市内において比較的減少幅が小さい。その他主要都市では阿南市が▲ 4.3%で徳島市に次いで減少幅は低い。一方で三好市が▲11.6%、美馬市が▲ 7.7%と、徳島市から離れた山間部の都市での減少幅が大きくなっている。
徳島市の年齢構造を見ると若年人口比率は16.7%、適齢期人口比率は21.9%となり、若年人口比率、適齢期人口比率ともに全国値(17.4%、22.3%)を下回った。その他の県内主要都市を見ると、若年人口比率は阿南市が18.0%で、県内主要都市内で唯一全国値を上回った。適齢期人口比率は県内主要都市すべてにおいて全国値を下回っている。高齢者比率(65 歳以上人口比率)を見ると、徳島市は27.6%であり、全国値(26.6%)を上回った。県内主要都市すべてにおいて全国値を上回っており、徳島市を除くすべての都市で30%以上となっている。40%を超える都市も見られ、県内の高齢化の進展が深刻な状態になっていると思われる(図表2)。
将来推計人口を見ると徳島市は2015年ころの段階で減少フェーズに突入しており、2040 年ころには2010 年ベースから約20%程度減少するとみられている。その他の県内主要都市も同様で、将来的には2010 年ベースの45 ~ 75%程度になると思われる。人口減少しているものの、将来的にも徳島市の一極集中には変化はなく、今後も徳島県内で最も高い人口ポテンシャルを維持できるだろう(図表3)。
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2021年3月12日号 観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル 徳島市編
2021年3月12日号 観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル 徳島市編
【月刊HOTERES 2021年03月号】
2021年03月10日(水)