観光は、大阪・関西の成長にとって、大変重要な産業です。そのため大阪では、国内外からの集客力強化を「大阪の成長戦略」の柱の一つに位置付け、大阪府と大阪市が一体となって、さまざまな取り組みを行なってきました。
具体的には、「大阪都市魅力創造戦略2020」に基づき、世界遺産に登録された百舌鳥・古市古墳群や上方伝統芸能などの歴史・文化、エンターテインメントや食のほか、水都大阪や太陽の塔がある日本万国博覧会記念公園など、大阪ならではの都市魅力を活用し、国内外からの誘客を図ってきました。
その結果、2019 年に大阪を訪れた外国人旅行者は、15年に比べて約70%増の1231 万人となり、また、米国大手旅行誌が19 年に公表した「世界で最も魅力的な大都市ランキング」で大阪が5 位となるなど、海外における存在感も着実に高まってきています。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により外国人旅行者が激減し、府内宿泊施設の客室稼働率は、昨年5月には9.3%にまで落ち込むなど、その影響は長く暗い影を落とし、大阪の観光は大きなダメージを受けています。
このため、まずは国内旅行をターゲットに、近場の旅行需要を喚起して、厳しい経営状況にある府内観光関連事業者を支援するため、昨年6 月から大阪府を含む関西2 府4県の方々を対象として、大阪に宿泊された方にキャッシュレスポイントを付与する「大阪の人・関西の人!」いらっしゃいキャンペーンを展開しました。キャッシュレスポイントをチェックイン時に付与することで旅ナカの消費を促す工夫を行ないました。
また、公演中止により痛手を受けた、大阪の強みである文化芸術に対する支援として、アーティストの公演機会を確保することで、民間イベントの開催機運向上や文化芸術活動に携わる方々の活動再開につなげる、という思いも込めて、さまざまなイベントを実施し、文化芸術を大阪の観光コンテンツとして誘客に努めました。具体的にはコロナによる自粛後、全国に先駆けて実施した歌舞伎特別公演や万博記念公園全体に2 日間で約4 万人を動員した多彩な文化芸術プログラム「OSAKA GENKi PARK」などを開催しました。
大阪府知事
吉村洋文
〈プロフィール〉1975 年大阪生まれ。98 年3月九州大学法学部卒業。98 年司法試験合格。2000 年10 月弁護士登録。11 年4月大阪市会議員。14 年12月衆議院議員。15 年12月大阪市長。19 年4月より大阪府知事を務め、現在に至る。
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本記事は2021年1月8・15日号の一部紹介記事です。
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