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グレーゾーンの中での新オペレーション

ホテル・旅館の皆さま、決めましょう、そして、どんどん発信しましょう。

2020年06月22日(月)
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新型コロナウィルスの影響でホテル・旅館業界は未曾有の大打撃を受けています。さらに、過去に経験のないウィルスが相手ということもあり、どのような対策をすべきかという正解の無い、暗闇の中での戦いを強いられています。今こそ、その企業の本質が問われる時です。あるものはあり、無いものは無い。できることはでき、できないことはできません。弱腰にならず、「未来は見えないけれども、今、一番これが自分たちのベストだろう」というものをしっかりと選択し、それを世の中に発信していくべきではないでしょうか。(文・岩本 大輝)
 
 
なぜ星野佳路氏ばかり出ているのか?
 
新型コロナウィルスという経験をしたことのない大きな脅威。
ホテル・旅館など宿泊業界は過去のバブル崩壊やリーマンショック、東日本大震災と比較にならないほどの大打撃を受けています。そして、ウィルスという見えない敵を相手に、多くのホテル企業がどう対処すれば良いのかという正解がない、暗闇の中で、さまよっているようにも見えます。
 
そんなコロナ禍の中で目立ったのが星野リゾートの星野佳路代表です。
同社も大きな影響を受けている中ではありますが、積極的にメディアに出て、自社の現状や今後の宿泊業の未来を語るとともにコロナ対策などをアピールしています。

星野氏がいくつかの動画メディアで公表したこの予測図は大きな話題を呼びました
星野氏がいくつかの動画メディアで公表したこの予測図は大きな話題を呼びました


メディアからしたら格好の材料です。

今、誰もホテル・旅館業界の中で、それなりのポジションにある企業のトップは出たらがない。その一方で、星野氏は自社のことを良いところも悪いところも「上手に」話す。同社は以前から認知度も高いということもあり、メディアからすれば数字もとれる。星野リゾートは以前からメディアリレーションと、それらを通じたブランディングには力を入れていますし、星野氏もこのような中でも独立系オーナーですから誰か気にしたりする必要もなく堂々と話せる。

しかしそれを、「あれは星野リゾートだからできるよ」と言ってしまうようであればそこで終わりです。そのままで良いのでしょうか? みんな大変なのは一緒です。影響力ある企業が、もっと発信をしても良いのではないでしょうか?
 
実際、取材やオンラインセミナーで登壇のお願いをしても出られる人は非常に少ない。この先行き不透明な中で、出られないという判断なのかもしれません。
 
ですが、このままでは一般的には星野氏の話すことが旅行業界の現状と今後だと捉えられかねない。実態は違います。彼らが主に展開するリゾートと、都市ホテルでは状況が異なるからです。それでも、良いのでしょうか?
 
 
星野リゾートは“決めている”。
そして、それを発信している。

 
もう一つ皆さまに問いかけたいのは、どこまで決断できていますか?ということです。
 
星野リゾートに関して、多くの方はテレビなどの主要メディアでの星野氏の話していることを聞いているかもしれませんが、星野リゾート代表としての星野氏の情報発信はそれだけではありません。
 
非常に印象的だったのが、星野リゾートがメインスポンサーとなっている星野リゾート・リート投資法人の2020年4月期(第14期)の決算説明動画でした。
https://www.net-presentations.com/3287/20200611/?fbclid=IwAR3-Rz47DAODu4RzT0I9cSIzV1ZIti8gAwY-KTWbY6abwpKSqh0WLpK-rRU
※23分40秒頃より
 
星野氏はその動画で、「コロナ環境下 基本3大方針」と題して、以下のことを挙げていました。
 
① 現金を掴み離さない
② 人材を維持し復活に備える
③ CS・ブランド戦略の優先順位を下げる


星野リゾートの「コロナ環境下 基本3大方針」
星野リゾートの「コロナ環境下 基本3大方針」


特に③は、ゴシップ的な記事を書こうとすれば格好の材料です。誤解を招かぬように、この部分に関しては星野氏の言葉をなるべくそのまま掲載します。
 
「まず最初に、3月にこの問題が表れてきた時に、会社内で明確な方針を打ち出しました。
スタッフに説明した内容ですが、とにかく、キャッシュフローを重視する。そして、復活時には、なんと言っても人材がいなくては復活できないので、人材を維持する。そして3つ目に、何か犠牲にしなくてはいけないときには、私達はブランド戦略に投資していたお金を先送りしたり、または、CSを少々犠牲にすることをやむなしとしようという覚悟を決めました。」
 
かなり現実的な決断です。
キャッシュを最優先にする。これは、過去にいくつもの再生を手掛けてきた星野氏だからこその言葉かもしれませんが、キャッシュがなければ生き残れないというのは、どこも同じです。
 
こうした情報発信は、危機的状況において重要です。
守って何も発信をしないのか。それとも、自社の状況を、ここが重要ですが、「適切な範囲で」公表していくのか。星野リゾートだって、全ては話していません。この動画でもよーく見れば「なるほど」と思う点もあります。これはまさに、危機管理的な観点においてのPRの役割でもあります。
 
皆さまのホテル・旅館では優先順位をつけて決めていますか?
そして、それを社内に発信をしていますか?
 
そして、もっと外部にも発信をしていきましょう。三密対策など含む星野リゾートの取り組みを見ても、何か他ができないことをやっているわけではありません。情報発信を極度に恐れる必要はないと考えています。
 
情報の透明化は信頼につながる時代です。隠せば隠すほど、不信につながるかもしれません。トップこそ、決断をし、それを積極的に発信をしていただければと思います。
 
 

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