コンラッド東京 ヘッドソムリエ 森 覚 氏
パルム・ドール ブリュット
優しさと複雑性
エレガントさの最高峰
バランスの良さ、なめらかさ、そして優しさはメゾンのスタイル。そこに複雑性が加わる。それが、ニコラ・フィアットのパルム・ドール。ブドウの出来が素晴らしい年にのみ造られるプレステージ・シャンパーニュである。
「後味には、ナッツやブリオッシュの印象が感じられ、余韻に複雑性が強く出てきます。また2004年のヴィンテージは、特に酸が生き生きとしており、エレガントな印象を受けます。ブドウの比率はピノ・ノワールとシャルドネが半々ですが、この年はシャルドネの特徴を強く感じます」
90パーセントはグラン・クリュのブドウを用い、10パーセントは個性的なモングーのシャルドネを使っている。独特なボトルは、ブラックパールからインスピレーションを受けたオリジナル。
コンラッド東京のヘッドソムリエ、森覚氏は、このパルム・ドールに合わせるのは、日本料理が良いという。
「日本料理は、余計なものをそぎ落とす料理です。素材の持ち味を生かした料理は、味わいの構成もシンプルですが、余韻に感じる旨味や複雑性には、パルム・ドールに通じるものがあります」
コンラッド東京には、日本料理、中国料理、フランス料理のレストランがあるが、料理はいずれも繊細で洗練されており、料理全体とシャンパーニュの関係はとても良い。
稲葉料理長による四季折々の素材を生かした会席料理や江戸前鮨、鉄板焼などが味わえる、日本料理「風花」の料理を初め、モダンフレンチ「コラージュ」で提供される前田慎也シェフが作り出す現代的なスタイルの料理、中国料理「チャイナブルー」のアルバート料理長のクリエイティブな広東料理にもシャンパーニュが良く合う。
例えば、「コラージュ」。アスパラガスの料理では、ピュレ、グリル、フライなど、アスパラガスのさまざまな食感、味わいを組み合わせて楽しめるように皿の上で複雑な味覚世界が展開するが、このような繊細な味わいの料理には、酸の繊細なブラン・ド・ブランを、メインの料理やコース全体には、ロゼをすすめる。フォアグラでも、鱒の低温調理でも、肉料理でも、色合いも美しく、見事な輝きを見せるロゼが料理を引き立てる。仔羊は、異なる部位を異なる調理法で料理して盛り込む。鴨は、胸肉を低温調理して、皮は香ばしくパリパリにロースト。ロゼとの組み合わせは、いずれも味覚的な心地好さが抜群。
シャンパーニュは季節感も表現できる。春から夏にはブラン・ド・ブラン、秋冬は、ロゼやプレステージュ。ニコラ・フィアットは、親しみやすいブルーラベルからエレガントさの最高峰ともいうべきパルム・ドールまで、その味わいの幅が広い。
「現代的なスタイルの料理との組み合わせを考えると、リストは全てシャンパーニュにしても良いかもしれませんね(笑)」
日本酒類販売株式会社
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