ハレクラニ沖縄 レポート3その1
沖縄のリゾートであるにもかかわらず、全国各地からスタッフが集まり、そしてそのスタッフたちがイキイキと働くハレクラニ沖縄。前回のレポート2では、オーナーと総支配人のインタビューを通じてその秘密を探ったが、当然、各部門のマネジメントにも秘密があるはずだ。
レポート3では宿泊、料飲、調理の三部門の部門長のインタビューを通じ、ハレクラニ沖縄の職場としての魅力を探る。その第一弾は宿泊部長の勝木 晶子さん。「こんなに楽しく働くことができるホテルは他にはない。日本一ハッピーなホテル。」だと力強く語る彼女に、その理由を聞いた。
宿泊部長(Director of Rooms)
勝木 晶子さん
若いスタッフの成長した姿を見るとつい涙が出てしまう。
大きな愛情でチームを包み込むリーダー。
「こんなに楽しく働けるホテルは他にはないですよ!新卒でハレクラニ沖縄に入社したスタッフは、本当に幸せだと思います。」
そう語るのはハレクラニ沖縄で宿泊部長を務める勝木 晶子さんだ。
勝木さんは、アメリカのザ・リッツ・カールトンや香港のマンダリン オリエンタルなど、数々のラグジュアリーホテルを渡り歩いてきたプロフェッショナルのホテリエだ。一方、南米・チリでは小さなホテルで支配人をやっていたというユニークな経歴も持つ。
「チリのホテルでは、長年クローズしていたカラオケバーを、現地で働く日本人ビジネスマンのためにリオープンして、そこのママもやっていましたよ(笑)。」
と、素晴らしいキャリアだけでなく、茶目っ気いっぱいのキャラクターも彼女の魅力だ。
帰国後、他の業界で仕事をしていた時期もあったが、やはりホテルで働くことの楽しさを忘れることができず、生まれ故郷である北海道のラグジュアリーホテルで業界復帰、その後、縁あって沖縄のホテルで働くことになった勝木さんは、ある時、人を育てる楽しさを知ったのだそう。
「沖縄のみなさんは、明るく優しい性格で、とてもホテル業に向いていると感じたのですが、残念ながらホテルがスタッフに対してきちんとトレーニングを行っていないのです。もっと楽しく働くことができるはずなのに、もったいないと思いました。」
そこで彼女は、過去1年分のお客様コメントを全て拾い上げて、「何が良いのか」「何が悪いのか」を分析。そして、それを現場にフィードバックすると共に、トレーニングを開始した。
「忙しい現場ですから、『15分でもいいから』と。そして、トレーニングをすると現場の若いスタッフたちがとても喜んでくれるのです。成長して現場で頑張っている姿を見ていると涙が出ちゃって…。」
と、話をしながら見る見る勝木さんの目に涙が…。
ラグジュアリーホテルなのに、ゲストサービスのスタッフの8割が未経験者。
でもそんなことは関係ない。経験やスキルよりも大切なものがある。
その後、また縁があり、勝木さんはハレクラニ沖縄で仕事をすることになった。
勝木さんは、ハレクラニ沖縄でどんなことを大切にしているのか。
「みなさんそれぞれ出身も、これまでお仕事をしてきた環境も違いますから、それぞれが考える沖縄らしさ、ハレクラニらしさを表現してほしいと思っています。ホテルのフロントは将来AIに仕事を奪われると言われていますが、ラグジュアリーホテルだけは違うと思っています。」
彼女は経験やスキルよりも大切なものがあるという。
「目の前のお客様のために自分に何ができるか、それを一生懸命考えられるかどうかが大切です。知識や経験、スキルも大切ですが、習熟にはやはり時間がかかります。新卒の人なら新卒の人らしく、目の前のお客様のために何ができるのかを考えればいいのです。迷ったら先輩や上司に相談すればいい。お客様に感動していただく為にやりたいと思ったことはやっていいのです。」
ハレクラニ沖縄では、ゲストサービススタッフの8割が新卒を含む未経験者でスタートすることになった。しかし、驚かされるのは、そうした新卒や未経験者でも、積極的に自分で考え、一生懸命ゲストに向き合っている。さらに、それが実際にゲストから高い評価を得ているのだ。結果、それが喜びとなって、スタッフたちがイキイキと楽しそうに働いている。
「自分で考えず、言われたことだけやっている人はAIに負けてしまうでしょう。でも、自分で考えられる人はAIなどに負けるはずがありません。」
大切なのは、お客様だけではない。
勝木さんが “あきらめたくない” もの
勝木さんは、もう一つのことをスタッフに求める。
「自分の周りにいるすべての人を大切にすることです。それができない人が、お客さまを本当に大切にできるわけがないと思うのです。」
確かに、ゲストに対しては満面の笑顔なのに、部下や仲間に対して笑顔を見せることができないホテリエも、少なからず存在する。
「ホテルで働くことを目指す人は、誰しもお客様に喜んでいただきたいと思っているはずです。そしてその気持はお客様にだけではなく、仲間に対しても同じでなければなりません。でも、実際には様々な理由でそれができなくなってしまう。だからモチベーションも下がってしまうのです。」
彼女は、過去にそういう例を実際に見てきたのだ。
「私は、そこをあきらめたくないのです。
だから、ハレクラニ沖縄ではそれを徹底しています。そして、それが今実際にできているので、みんなが楽しく働いています。」
日本一ハッピーなホテル
勝木さんは、力強く言う。
「こんなに楽しく働くことができるホテルは他にはないと自信を持って言えます!ハレクラニ沖縄は日本で一番楽しく働くことができるホテルです。日本一ハッピーなホテルだと思っています。」
「勿論、開業当初は大変なこともありましたが、夏を超えてみんな大きく成長しました。そして、年末年始の忙しい時期に、若いスタッフたちがお客様にきちんとしたサービスを提供しているところを見て嬉しくて涙が出てしまって…」
涙もろい勝木さんが、また泣いている。
マネジメントに必要なものの一つに、“愛” があると思う。
大きな “愛” を持ったリーダーがいる。だからこそ、ハレクラニ沖縄のスタッフたちは、楽しくも、成長しながら働けるのだと、勝木さんに会って強く実感した。
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本レポートは全5回です。
レポート1沖縄にやってきた世界屈指のリゾート 「天国にふさわしい館」が沖縄へ
レポート2なぜハレクラニのスタッフはイキイキとしているのか? 沖縄だけでなく全国から人が集まる理由とは?
レポート3その1こんなに楽しく働くことができるホテルは他にはない。「日本一ハッピーなホテル」だと自信を持って言える。(今回)
その2目指すは世界を代表するラグジュアリーリゾート。 若いスタッフが大きく成長できる環境がここにある。
その3チーム・チーム・チーム!
レポート4その1 楽しく調理しないと、おいしい料理は絶対にできない。 ハレクラニ沖縄カリナリーチームの人を育てる環境づくり
その2 「顔がやさしくなったね」 心に余裕ができ、やさしくなれる。 そんな環境がここにある。
レポート5その1 東京から沖縄へ移住! わくわくする魅力的な場所で自ら率先して動くことができるホテリエに
その2 「大好きな仲間がいる」ハレクラニ沖縄の理想的な環境