世界屈指のラグジュアリーリゾートホテルとして知られるハワイのハレクラニ。そのブランドを冠した二つめのホテルが2019年7月、沖縄に開業した。
ハワイで誕生してから100年以上の歴史をもつハレクラニ。オーナーである三井不動産の所有する数ある中でも特別な意味を持つホテルの一つだ。
三井不動産は1981年の取得以降、第二のハレクラニの機会を世界中で探していた。さまざまな候補地が浮かんでは消え、今回の沖縄が開業するまでに約30年を要した。
それほどまでに三井不動産が大切にする「ハレクラニ」というブランド。第一回となる今回はその歴史を紹介する。
ハワイ語で「天国にふさわしい館」
100年を超える歴史の中で育まれたハレクラニ
常夏の島ハワイ。だれもが憧れ、そして数多くのラグジュアリーリゾートがひしめくハワイにおいて、ハレクラニは日本でも知られる『フォーブス トラベル ガイド』や、米国の富裕層向け旅行誌『トラベル アンド レジャー(Travel + Leisure)』など、さまざまなアワードにおいて数々の受賞歴を持つ、世界のトップクラスリゾートだ。
100年以上にわたる歴史を重ね、多くのセレブリティを含む顧客から愛され続けているハレクラニ。その歴史は、1883年に誕生した小さなビーチハウスにさかのぼる。
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1883年、ロバート・ルワーズ氏によってハレクラニは「ハウツリーホテル」というビーチハウスと、バンガロー5軒の小さなレジデンシャルホテルとして誕生した。
ルワーズ氏は、このビーチハウスの一部をハワイの漁師たちに開放した。その際に、このビーチハウスが漁師たちの間で「ハレクラニ」と呼ばれるようになったという。
1917年にジュリエット・キンバル、クリフォード・キンバル夫妻に引き継がれたことでハレクラニの華やかな歴史が動き出すことになる。
1930年代を迎え、ハワイは大型客船で富裕層がバカンスに訪れる時代となっていた。富裕層の中にはスタッフや車まで伴ったという逸話もあるほどだ。
そして、夫妻はここを、漁師たちに呼ばれていた「ハレクラニ」―「天国にふさわしい館」と正式に名づけた。現在の「ハレクラニ」が誕生した瞬間だ。
その後、ハレクラニは、シアトル出身のノートン・クラップ家により買収される。その頃にはすでに、大きな本館、そして1階建てと2階建てのバンガロー37棟を擁するホテルへと成長を遂げていた。
そして1981年、ハレクラニは三井不動産が取得。その後全面改修が行なわれるなど新たな時代を迎えることとなる。
ハレクラニを支えるのは「“オハナ”の精神」
100年の歴史を超えて世界で高い評価を得るハレクラニ。それを支えてきたのは、「“オハナ”の精神」だ。
“オハナ”とはハワイ語で「家族」を意味する。スタッフだけでなくやってくるゲストも“オハナ”。家族だからこそ、互いに尊重し、思いやりを持って接する。ハワイ独自とも言えるその精神が、ハワイだけでなく世界でもその名を知られるリゾートを創り上げた。
そして、その精神は沖縄でも引き継がれ、ハレクラニ沖縄の開業間もない成功の大きな要因となる。
約30年かけて見つけた第二の場所
ハレクラニが沖縄にやってきた
1981年にハレクラニを取得して以来、三井不動産は第二のハレクラニにふさわしい場所を探し続けていた。日本だけでなく世界中、さまざまな地が候補にあがり消えていった…。当然、「ハレクラニ」ブランドの名を汚すことはできないからだ。
そして、決まったのが沖縄のいんぶビーチ。沖縄の地元の人たちから長く愛されてきた、青い海と、美しい夕日を眺めることができるビーチだ。
「テントを張るだけでもゲストが感動できるような場所を探していた」
三井不動産でこのハレクラニプロジェクトを統括する三井不動産リゾートマネジメントの代表取締役社長である洲戸渉氏はそう語る。
100年以上の歴史を通して醸成された「“オハナ”の精神」というハレクラニの文化。そして、関係者の熱い情熱と長い年月によって誕生した第二のハレクラニ「ハレクラニ沖縄」。
開業から約半年。通常であれば数年という年月をかけて顧客評価を獲得していくものだが、すでに業績は想定以上、それだけでなくスタッフがイキイキと働きながら、高い評価を得るホテルを実現している。
「ハレクラニ沖縄の魅力はどこにあるのか」
その秘密を、全5回の連載にて解明していく。
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本レポートは全5回です。
レポート1沖縄にやってきた世界屈指のリゾート 「天国にふさわしい館」が沖縄へ(今回)
レポート2なぜハレクラニのスタッフはイキイキとしているのか? 沖縄だけでなく全国から人が集まる理由とは?
レポート3その1こんなに楽しく働くことができるホテルは他にはない。「日本一ハッピーなホテル」だと自信を持って言える。
その2目指すは世界を代表するラグジュアリーリゾート。 若いスタッフが大きく成長できる環境がここにある。
その3チーム・チーム・チーム!
レポート4その1 楽しく調理しないと、おいしい料理は絶対にできない。 ハレクラニ沖縄カリナリーチームの人を育てる環境づくり
その2 「顔がやさしくなったね」 心に余裕ができ、やさしくなれる。 そんな環境がここにある。
レポート5その1 東京から沖縄へ移住! わくわくする魅力的な場所で自ら率先して動くことができるホテリエに
その2 「大好きな仲間がいる」ハレクラニ沖縄の理想的な環境