明治39 年創業、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100 選」において35 年連続総合1 位の評価を獲得する石川県和倉温泉の老舗旅館「加賀屋」。2010 年には初の海外出店として台湾にも進出を果たし、日本の旅館文化をワールドワイドに発信するなど日本旅館のトップリーダーとして業界をけん引し続けている。その加賀屋では先代に代わり、2014 年4 月1 日に代表取締役社長に小田與之彦氏が就任。北陸新幹線が開業してさらに注目が集まる金沢で、232 室という大規模旅館を率いる立場から現状と抱負を伺った。
㈱加賀屋 代表取締役社長 小田 與之彦 氏
北陸新幹線開業で
金沢の注目度がアップ
❒ 金沢エリアで今年一番の話題と言えば、3 月14 日の北陸新幹線開業だと思いますが、開業前後でどのような変化がありましたか。
昨年11 月末ごろ、JR 東日本が、北陸新幹線が間もなく開業するという広告を打ち出すと、それを機に問い合わせ、宿泊予約が一気に増え、電話が途切れない状況になりました。感覚的には平年のお問い合わせの4倍位でしょうか。もう一つの変化は、今年になって、予約の入る時期が早くなってきていることがあげられます。昨年までは、予約に占める団体旅行の割合が減って個人旅行が増えるにつれて、予約の入り方が宿泊日間際になるという傾向が見られていました。しかし今年は半年先の予約の引き合いも入ってきています。
❒ 予約が早まった理由をどのように見ていますか。
新幹線の開業で金沢をはじめ北陸エリアに注目が集まっていること。来訪者が増えて宿泊が取りにくくなることを懸念して早めの予約へと結び付いているのでしょう。