日本政府観光局(JNTO)による訪日外客数・出国日本人数の15 年5 月推計値がまとまった。訪日外客数は前年同月比49.6%増の164 万1800人で、これまで5 月として過去最高であった14 年を54 万5000 人以上上回った。例年5 月は4 月の桜シーズンと夏休みシーズンの狭間で、伸び率が鈍化する傾向にあったが、今年に入ってからの勢いは衰えず、単月としては15 年4 月に次ぐ、過去2 番目の記録となった。5 月までの累計も750万人を突破し、1500 万人に向け好調なペースで推移している。
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継続的な訪日プロモーションの展開に加え、かねてからの円安傾向、航空路線の拡大、近年の査証免除や要件緩和、昨年10 月からの消費税免税制度の拡充など、環境、政策が合致したことが増加の要因となった。
市場別では、台湾、香港、インドが単月として過去最高を記録したほか、英国、ロシアを除く18市場が5 月としての過去最高を記録した。特に東アジア市場においては、韓国が前年同月比61.5%増、中国は同133.6%増、香港が同70.3%と大きく数値を伸ばし、台湾を加えた4 市場の合計は116 万3000 人と当月の訪日外客数全体の7 割以上を占めた。
香港は持続する円安傾向や花々の観賞を目的とした旅行の人気に加え、4 月の大型連休をピーク時を避け訪日した個人旅行客がいたことが、旺盛な訪日需要の維持に貢献した。今年に入り、LCC の航空便の新規就航やフルサービスキャリアの増便が相次ぎ、地方路線を中心に航空座席供給量が増加したことも需要の拡大を後押ししている。
豪州は前年同月比33.7%増の2 万4800 人と、5 月として過去最高を記録した。14 年4 月末に新規就航したジェットスターのメルボルン―成田便などの要因により、着実に訪日客が増加している。5 月は中旬にサンプリンセス号の寄港も需要の上乗せにつながった。
2015 年5 月の出国日本人数は前年同月比2.4%減の125 万人であった。