ドイツのオトカーファミリーによるホテルコレクションブランドとして1923 年からの歴史を持ち、2008 年からはホテルチェーンとしての歴史を歩みだしたオトカーコレクション。オトカーコレクションの特徴は、「Masterpiece =(最高傑作)」のみを集めた真のラグジュアリーコレクションとして、規模でなく質の維持・向上を大切にしている点だ。本項では同チェーンの季節限定で営業をする二つのラグジュアリーホテル「シャトー・サンマルタン&スパ」と「ラポジェ クールシュヴェル」の総支配人を務めるデュアルテ・ボン・ド・スーザ氏に、ホテルのビジョンやチェーン、ホテルの強みについて聞いた。
オトカーコレクション
シャトー・サンマルタン&スパ
ラポジェ クールシュヴェル
総支配人
デュアルテ・ボン・ド・スーザ 氏
(Duarte Bon de Sousa)
ポルトガル出身。リスボンとポルトのル・メリディアン、TD ホテルズを経て2003 年フォーシーズンズホテルに入社。フォーシーズンズホテル リッツリスボン、フォーシーズンズホテル ジョルジュサンク パリなどを経て07 年ショウパーナ ヒルズ リゾート & スパの総支配人に就任。その後11 年SacoorBrothers が手掛けるSacoor Hotel の総支配人、翌年中東エリアのマーケティングマネージャーを経て13 年11 月より現職。
オトカーコレクション
https://www.oetkercollection.com
「傑作」だけを集めたコレクション
その中の二つのホテルを取り仕切る
❒ まずはオトカーコレクションについて、そしてスーザさんが総支配人を務めるシャトー・サンマルタン&スパとラポジェ クールシュヴェルの二つのホテルについて教えて下さい、
オトカーコレクションの歴史は、ドイツのオトカー家が1923 年にバーデン・バーデンのホテル(現・ブレナーズ・パークホテル&スパ)を購入したことから始まります。一家はその後フランスのアンティーブ岬にある現・ホテル・デュ・キャップ・エデンロックやル・ブリストル・パリなど本物のラグジュアリーホテルを少しずつそのコレクションに加えていきました。正式にホテル企業として企業化されたのは10 年前の2008 年で、現在は10 のホテルがそのコレクションに加わっています。オトカーコレクションに加わることができるのはしっかりと審査され、「マスターピース」と判断されたものだけです。そしてマスターピースとは規模ではなく、建物に歴史と伝統の軌跡が残され、土地の人々に根付いている「最高傑作」を意味します。
そして、私が総支配人を務めるホテルの一つ、シャトー・サンマルタン&スパは南仏コート・ダジュールにある40 の客室と6 室のヴィラ、ミシュランスターを獲得しているレストラン「ル・サンマルタン」やスパなどを備えており、4 月〜10 月の夏季にのみ営業をしています。ニースやモナコとも近く、コート・ダジュールの観光拠点としては最適のホテルであり、コート・ダジュール観光のゲストの多くは一週間ほど滞在をされていきます。
もう一つのホテルであるラポジェ クールシュヴェルは11 月〜3 月までの営業を行なっているラグジュリースキーリゾートで、こちらはシャトー・サンマルタン&スパの平均ADR が約700 ユーロに対して約2000ユーロとさらに高価格帯の53 室のホテルです。
それぞれのホテルは、24 人の著名ジャーナリストが選定する「PrixVillégiature」というアワードにおいて、シャトー・サンマルタン&スパは「ヨーロッパの美しい屋外テラスを備えるホテル」に、ラポジェ クールシュヴェルは「ヨーロッパの80 室未満のベストサービスホテル」に選ばれた実績があるホテルです。