宮城・塩竈市で創業して約70 年。日本三景の一つに数えられる松島に施設を構えて約50
年。松島温泉/みはらしの湯「小松館 好風亭」は、風光明美な松島の景色を満喫しながら露天風呂や足湯を楽しむことができる老舗旅館だ。小松館 好風亭では、東日本大震災後の電気料金値上げの流れを受け、客室の冷蔵庫についても見直しを図った。節電によるエネルギーコストダウンに主眼を置いた方向性の中、㈱ジーマックスのコンプレッサー式小型冷蔵庫「BC-70AR」が選ばれた。
電気コストの削減を目指して
シンプル機能の冷蔵庫を導入
日本三景の一つ、松島の景色を一望できる「小松館 好風亭」は、目の前に広がる美しい海を眺めながら、客室や露天風呂からおいしい料理と温泉を堪能できる老舗旅館。2014年7 月から8 月にかけて、全38 室のうち26の客室の冷蔵庫を入れ替えた。東日本大震災後の電気料金の値上げに伴い、節電に向けた取り組みを全館ベースで進める中、1993 年から使い続けてきた客室内のシステム冷蔵庫についても見直しを図り、年間の電気コストの削減を目指したのである。
新しい冷蔵庫の機種については計算上、導入後2 年間で初期投資コストが回収できるジーマックスのコンプレッサー式小型冷蔵庫「BC-70AR」が採用されることになった。
「以前は客室にシステム冷蔵庫を設置することで、お客さまの利便性を追求していました。ただ、個人でのご利用が多いことから、ストックされた商品が購入されないまま賞味期限が切れてしまうケースも見られました」と常務取締役の小松隆司氏は言う。「そこでシステム冷蔵庫内のボックスをはずして、そのままシンプルな冷蔵庫として使用していました。さらに震災後には電気料金の値上げという流れも出てきたことから、LED への切り替えを進めるといった取り組みの中で、冷蔵庫についてもより節電能力の高い機種を導入することにしたのです」
ジーマックスでは、直流電流を流すことで、冷却、加熱、温度制御を自由に行なえる半導体素子「ペルチェ素子」を使ったコンパクトサイズのペルチェ式冷蔵庫も製造している。製造コストを抑えるためにこれまでペルチェ素子を中国工場で生産してきたが、その関係から小型のコンプレッサー式冷蔵庫についても高い品質を維持しながら、中国生産による低価格化を実現している。
“ホテル用冷蔵庫のスペシャリスト”を標榜するメーカーとして、冷蔵庫を導入する施設の費用の負担を可能な限り減らす方向性を追求しているのだ。余分な機能を極力省き、冷蔵庫に求められる本来的な機能に特化することで、高品質で低価格な冷蔵庫を施設の備品として提案する形を整えているのである。
70ℓの絶妙なサイズ感が
旅館の客室ニーズにぴったりはまった
小松館 好風亭の客室に設置された「BC-70AR」は、シングル利用のビジネスホテルでの利用を想定した「BC-48AR」に対して、2 ~ 3 名のお客さまが宿泊する客室をメインターゲットに据えた冷蔵庫だ。48ℓ、100ℓのクラスはそれぞれ多くのメーカーが販売しているが、その中間に位置する70ℓのサイズの機種はめずらしいという。コンパクト過ぎず、無駄なスペースや電力も必要としない「BC-70AR」は、家族連れも多い旅館の客室にとって絶妙なサイズ感と言えるだろう。
「客室からシステム冷蔵庫をはずしてから、パブリックスペースに自動販売機を設置しました。現在は冷蔵庫内にビールとミネラルウオーターを各2本備えていますが、それらを出していただければお客さまは庫内のスペースをすべて自由に使うことができます。『お土産ものをあずかってほしい』というフロントへのリクエストはほとんど見られなくなり、その分オペレーション上の負担も減りました」
冷蔵庫に最低限必要な機能のみに特化したシンプルな設計は、実際に使いやすさと省エネの提供につながっている。
「客室の冷蔵庫に冷凍室は必要ないと考えています。『BC-70AR』に組み込まれている製氷室だけで、お客さまのニーズには十分対応できるからです。その分、節電によるランニングコストの削減につながることに大きなメリットを感じています。システム冷蔵庫と違い、万が一を想定した予備の機器の準備も必要もありません」
製造コストを低減するために、冷蔵庫の外側にはオン/オフのスイッチは付けていないが、内側の温度調節スイッチによって電源を切ることができるので、使用していない客室の冷蔵庫は止めておくこともできる。
顧客ニーズに合わせた豊富な
製品ラインアップが強み
“ホテル用冷蔵庫のスペシャリスト”であるジーマックスの豊富な製品ラインアップは、施設の形態や客室の規模などの条件に合わせた形で選択できる強みがあるのだ。また、今後も顧客ニーズに合わせて、製品ラインアップを増やしていく予定である。
小松館 好風亭の客室タイプは、大きく分けて8 畳、10 畳、二間続き、展望風呂付きの4 種類。2010 年に導入した温泉は、特に女性に人気の高い美肌効果を訴求できる泉質となっている。心と体を癒やしてくれる見晴らしの中で過ごす時間を求めて、東京や宮城県内からの家族連れ、2名さまのご利用を中心に、東日本大震災から4 年たった今、お客さまはしっかりと戻りつつある。
以前のシステム冷蔵庫からジーマックスの「BC-70AR」に入れ替えたことは、小松館 好風亭の営業スタイルがお客さまニーズに合わせてシフトしてきたことを象徴しているとも言えそうだ。宴会場よりも客室を増やす方向性を推進。以前は行なっていた部屋食から、レストラン、ラウンジ、ダイニングでの食事へとサービスの在り方を転換してきた。日本旅館の素晴らしいおもてなしは維持しながら、宿泊の形態についてはホテルへと近づけることで、松島エリアのマーケットにおける役割をさらに明確化することへとつなげている。こうした流れの中で客室内に設置された冷蔵庫は、お客さまが小松館 好風亭を拠点に松島で過ごす時間を、より豊かなものへと引き上げてくれる。

「素晴らしい景色と温泉と料理で、これからもお客さまに良質なおもてなしを提供していきます」と言う小松隆司氏

小さ過ぎず、大き過ぎず。旅館の客室にちょうどいい容量を備えた、ジーマックスの「BC-70AR」
「BC-70AR」
有効内容積:70ℓ
外形寸法(㎜):W470 × H632 × D450
電源:AC100V 50/60㎐
定格消費電力:68W
消費電力量(目安):176/184kWh/ 年
製品質量:18㎏
※さらにコンパクトタイプ「BC-48AR」(48ℓ)も
用意。

小松館 好風亭
住所:宮城県松島町字仙随35-2
【問い合わせ先】
㈱ジーマックス 〒105-0013 東京都港区浜松町1-11-9 アドビル4 階
電話:03・5408・9610 URL:http://www.z-max.jp
担当:阿部
電話:022・354・5065 ㈹
URL:http://www.new-komatsu.co.jp