今回取り上げるのは日本の最南端に位置する沖縄県の県庁所在地、那覇市である。我が国を代表する一大リゾート地であり、国際通りや首里城など知名度の高い観光スポットが多い。海外からの観光客も多く集客している。また沖縄県の経済、行政の中心地であり、市内に那覇空港が位置することから交通の玄関口となっている。以下に那覇市のマーケットを見ていこう。
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マーケットポテンシャル
那覇市は人口31 万8708 人(2013年3 月末)。沖縄県内人口の22.3%のシェアとなり、県内で最も人口が多い。そのほかの沖縄県の主要都市を見ると、沖縄市が13 万7167 人、うるま市が11 万9857 人、浦添市が11 万3089人で続いており、この4 市が県内で10万人以上の人口を有している。また、宜野湾市も9万4062人と10万人に迫っており、これらの都市が県内の中心都市となっている。それ以外では概ね5万人前後となっており、主に人口が多い都市は県中央~南部に見られ、県北部の人口規模が小さい。
過去5 年間の人口増加率(13 年/08 年)を見ると、那覇市は1.5%と微増となった。県内主要都市は宮古島市以外全てプラストレンドである。豊見城市が6.4%で最も増加率が高い。それ以外の都市では宜野湾市が3.1%、沖縄市が2.5%、浦添市が2.5%、うるま市が2.4%となっている。地方の県では人口減少都市が多くみられる中、県全体として成長性のある稀有な状況と言えるだろう。
那覇市の年齢構造を見ると、若年人口比率は22.2%、適齢期人口比は26.7%であり、若年人口比、適齢期人口比ともに全国レベル(若年人口比18.0%、適齢期人口比率25.1%)を上回った。県内主要都市はすべて全国レベルを上回っており、県全体として若いマーケットが多いことが分かる。那覇市以外では豊見城市の若年人口比率が25.9%、沖縄市が25.6%、浦添市が25.5%、糸満市が25.1%、名護市が24.8%、宜野湾市が24.5%、うるま市が24.4%で高いレベルになっている。適齢期人口比率も宮古島市と南城市以外はすべて全国レベルを上回った。宜野湾市の適齢期人口比率が29.6%、豊見城市が28.7%、浦添市が27.9%、沖縄市が27.1%と高いレベルになっている。当然ながら高齢者比率(65 歳以上人口比率)も総じて低いレベルになっており、県内主要都市では宮古島市と南城市以外ではすべて10%代である。那覇市の高齢比率は17.8%となった。県全体として活性化したマーケットを形成していると言えるだろう。
将来推計人口を見ると、那覇市は2015 年頃までは2010 年人口を維持するとされ、それ以降は緩やかな減少フェーズに入ると推計されている。2040年頃には2010 年人口の92.0%になると見られている。その他の県内主要都市を見ると宮古島市と南城市以外は将来的にも2010 年ベースを維持することができると推計された。特に豊見城市は将来的にも人口増加が続く成長性の高い都市である。将来的に豊見城市は名護市を抜いて人口ランクが入れ替わる可能性がある。那覇市は主要都市の中では比較的早く減少フェーズに入るが、人口規模のパワーバランスが変わることはなく、将来的にも県内ナンバーワンのランクにあるだろう。
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データファイル
ブライダルマーケット・エリアデータファイル《那覇市》
【月刊HOTERES 2016年01月号】
2016年01月08日(金)