国連世界観光機関(UNWTO)駐日事務所
代表
本保 芳明 氏
持続可能な観光に向けた取り組み
国際観光は新型コロナウイルス感染症による危機を乗り越え、回復に向けて順調に歩みを進めています。最新のUNWTOのデータによれば、2024年にはパンデミック前の水準まで完全に回復すると見込まれています。より良い回復を目指し、持続可能で強靭で包摂的な観光を志向していることは、各国・地域に共通していると思います。
そうした世界の潮流の中で、日本においても持続可能な観光に向けて各地で取り組みが進められていることは歓迎したいと思います。2023年10月には北海道美瑛町、宮城県奥松島、長野県白馬村、岐阜県白川村の4地域がUNWTOベスト・ツーリズム・ビレッジに選ばれ、11月にはUNWTOが推進する「持続可能な観光地づくり国際ネットワーク(INSTO)」に岐阜県が国内で初めて加入することになりました。
UNWTO駐日事務所では持続可能な観光の根幹である「レジリエンス」に関して、新たなイニシアティブに着手することとしています。将来の危機に備え、過去の危機から得られる知識・知見を共有し、観光地や観光産業における観光危機管理に対する意識啓発を行うとともに、能力開発の機会を提供していく予定です。今後も持続可能な観光の推進に向けて様々な事業に取り組んでまいりますので、皆様方の温かいご支援を賜わりますようお願い申し上げて年頭のご挨拶といたします。