株式会社更紗ホテルズ
取締役統括本部長
北原 信輔 氏
価値共創の時代
観光業の再興と発展は、経済成長の鍵を握ると考えられます。そして、インバウンド消費の回復とさらなる向上は、外貨獲得の重要手段として位置づけられ、2030年には15兆円という明確な政府目標があります。また、観光業は地域社会において、地域経済の活性化により雇用創出や福祉に好影響を与える重要な産業です。
その担い手として期待されている私たちホテル事業者が、単に同質的な宿泊や飲食を提供するという受け皿ではなく、観光業に携わる多くのステークホルダーと共に新たな価値を提供していくという気概を持ち、それらを実現させる創意工夫が必要です。よって私たちは、同業他社との機能的価値や価格による競争に終始せず、お客さまや地域社会と共に、新たなアイデアやサービスにより顧客体験価値を向上させる取り組みを志向します。
また、インバウンドにおいても地域間での連携により、アジア等の競合国より日本が選ばれるための誘致施策ならびにオーバーツーリズム対策等を、DMOや自治体と共に議論する場を積極的に設ける働きかけも実行してまいりたいと考えます。
観光業は全ての人がステークホルダーであり、地域そして日本の発展に不可欠な産業です。私たち中小ホテル事業者が、大手チェーンホテルに対抗するだけでなく、適切な競争と必要に応じた協業により、業界価値を共に高めるマインドを持ち、自社の成長と業界発展へ貢献できる活動を日々取り組みたいと思います。