株式会社グローバルエージェンツ
代表取締役社長
山﨑 剛 氏
 
外的環境の変化に強いホテル経営の実現

　2023年はポストコロナが本格化、円安の背景も後押しし、業界はコロナ禍のダメージから大いに回復した年となりました。しかし、この状況が今後も継続するとは構造的に考えにくく、この機会にどれだけ本質的な価値づくりを形成できるかが重要であると捉えています。
　コロナ禍を経て、人々の価値観はより一層多様化、宿泊先に求める価値も多様化しました。様々な物価やコストも上昇している中、ランニングコストや投資に見合った万人向けの付加価値をつくることはもはや困難と考えており、コンセプトを作り込み、誰に向けたホテルなのかをより明確にしていく必要性を強く感じます。

　ターゲット層が宿泊することではじめて付加価値と認識され、それがスタッフの待遇につながり、スタッフのサービス意欲や働きがいにも直結します。ホテルは旅館業法上、ターゲットではない宿泊者をお断りすることはできません。しかしながら、マーケティングによってある程度ターゲットを選別することは可能です。
　全方位的なサービスをやめ、作り込んだコンセプトと絞り込んだ付加価値づくり、そしてマーケティングの三位一体により、外的環境の変化に強い経営を実現していきたいと思います。