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【レポート】ペルノ・リカール・ジャパンのワインブランドが集結『THE WINE SHOW by Pernod Ricard Japan』

2023年11月30日(木)
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本記事は2023年11月21日(火)に開催されたペルノ・リカール・ジャパン株式会社が国内販売するワインブランドを一堂に取りそろえた試飲会『THE WINE SHOW by Pernod Ricard Japan』のレポートである。
 

出展ブランドには、シャンパーニュの『メゾン マム』や、2023年3月より国内展開が始まった『チャーチ・ロード』もあった。他にも『ケンウッド・ヴィンヤーズ』『セント・ヒューゴ』『セント マルガリート』『カンポ・ヴィエホ』『ブランコット・エステート』『ジョージ・ウィンダム』『ジェイコブス・クリーク』が出展されており、会場は多くの来場者で賑わっていた。
 
また、今回は試飲だけでなく、別会場にて「マスタークラス」も開催された。『チャーチ・ロード』のチーフワインメーカーであるクリス・スコット(Chris Scott)氏、『ケンウッド・ヴィンヤーズ』のヘッドワインメーカーであるマーク・ビーマン(Mark Beaman)氏に加え、ペルノ・リカール・ジャパンからも二名のシニア・アンバサダーが登壇し、ワインの魅力を伝えてくれた。
 

『チャーチ・ロード』のチーフワインメーカーであるクリス・スコット(Chris Scott)氏
『チャーチ・ロード』のチーフワインメーカーであるクリス・スコット(Chris Scott)氏
『ケンウッド・ヴィンヤーズ』のヘッドワインメーカーであるマーク・ビーマン(Mark Beaman)氏
『ケンウッド・ヴィンヤーズ』のヘッドワインメーカーであるマーク・ビーマン(Mark Beaman)氏
『メゾン マムの「RSRV」』について説明するペルノ・リカール・ジャパンシニアシャンパン ブランド アンバサダーのクリストファー・シュビヤー氏
『メゾン マムの「RSRV」』について説明するペルノ・リカール・ジャパンシニアシャンパン ブランド アンバサダーのクリストファー・シュビヤー氏
『セント マルガリート』について説明するペルノ・リカール・ジャパンシニア ワイン アンバサダーのニコラス・ガーディナー氏
『セント マルガリート』について説明するペルノ・リカール・ジャパンシニア ワイン アンバサダーのニコラス・ガーディナー氏

【ペルノ・リカールらしさが感じられた試飲会】
業界関係者でも熱心な方を除き、世界的な酒類企業のAnnual Reportを読んでいる方は少ないのではないだろうか。Annual Reportには企業の業績だけでなく方向性や哲学が反映されており大変勉強になる。筆者は昔からペルノ・リカールが掲げている『Conviviality』と『Drink More Water』がとても良い取り組みだと感じており、是非知って頂きたいと思っている。
 
『Conviviality』については、コロナ禍を経た今、以前に増してその重要性が増しているように感じられる。小誌でも何度か触れたことがある概念だが(例えば、2023年6月9日号の井登氏や2023年7月28日号の江口氏の記事など)、飲酒の文化ということを考えた際に、欠かすことのできないもののように思われる。
 

そうしたワイワイ楽しめるシーンにおいては、飲酒の「責任」というものを考えなくてはならない。これは飲み手だけでなく、販売側にも課せられた責任でもある。『Drink More Water』は『Conviviality』を保つ上でも欠かすことが出来ない取り組みだ。酒類の消費量が減り、純アルコール量での飲酒ガイドラインが検討されている今日、どちらも業界にとって必要な視点である。実際会場にはウォーターサーバーが備え付けられており、『Drink More Water』の合言葉も掲げられていた。
 

展開されていたブランドにも、そうした他者を想う気持ちが表れたものがある。『メゾン マムの「RSRV」』だ。これは、フランス語のReservéの頭文字であり、メゾンとの親交の深い方々向けの秘蔵のシャンパーニュとして「先約あり」を示す「RSRV」がつけられていたことに由来している。
 

メゾンのルーツを感じられる特別なシャンパーニュということもあり、多くの来場者がブースに参列していた。クリスマスが近いこの時期、味わいだけでなく、ストーリーとしてもおススメしたいシャンパーニュだ。
 
2023年3月より国内展開が始まった『チャーチ・ロード』も見逃せないブランドだ。2005年にペルノ・リカールの傘下となるまでの変遷(モンタナやアライド・ドメックの所有)を話すと複雑になるが、元々はホークスベイのパイオニア4社の1つであったMcDonald’s Winesがその始まりだ(他の3社はMcWilliam’s Wines, Glenvale Wines, Vidal)。1960年にはこの4社でホークスベイの86%に当たる生産を行っていた(Moran 2016)。
 

『チャーチ・ロード』には2つのポイントがある。1つは、ホークスベイにおけるトム・マクドナルド(Tom McDonald)氏の先見的な活動、もう1つはボルドーのエスプリが反映されている点(90年代にCordierからの技術指導があった)だ。その2つの結晶ともいえるトム・マクドナルド氏の名が冠された「Church Road TOM Cabernet Merlot」は非常にしなやかでありながら豊潤さがあり、ほんのり香る青さがとても心地よく、リージョンを代表する1本として押さえておきたいワインである。
 

今回開催された『THE WINE SHOW by Pernod Ricard Japan』では、今までペルノ・リカール・ジャパンのワインブランドが一堂に集結する機会が無かったため、来場者にとっても良い機会になったのではないかと思う。ウイスキーをはじめ、ブランド力のある商品を多く抱える同社だけに、ワインは影が薄いように思われるが、実際は『チャーチ・ロード』をはじめリージョンを代表するような生産者を抱えている。
 

帰り際のネームカードの回収一つ取ってみても、良くデザインされていて、参加する楽しみがあったように思われる。幅広いポートフォリオを試飲できる場としてだけでなく、来場者の弾む声や笑顔からも『Conviviality』という言葉の共に、ペルノ・リカールらしさが感じられた試飲会であった。
 

【参考文献】
Warren Moran, New Zealand Wine The Land, the Vine, the People, Auckland University Press, 2016


担当:小川

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