遠山詳胡子氏 株式会社MCS 代表取締役 東洋大学 国際地域学部国際観光学科 非常勤講師 東洋大学 大学院国際地域学科研究科 国際観光専攻博士前期課程
佐々木一彰氏 日本大学経済学部 専任講師 地域政策学博士
遠山 佐々木先生はラスベガスIR の調査、研究に向けて年1 回訪米されているとお聞きしました。
佐々木 現地の経営者と会ったり、バックヤードを見たりしています。ラスベカスと聞くとカジノの街というイメージが強いと思いますが、現状はカジノの以外の売り上げが6 割に達しています。飲食店やクラブやディスコなどです。元々、何でも許される街として作り上げてきました。宗教感もあまりありませんのでウエディングも誰でも簡単に挙げることができます。ダーティなイメージがあったラスベガスが今日に至るまで世界各国の多くの観光客などに支持されているのは、カジノだけに頼ることなく経済状況の変化を敏感にとらえ変化し続け、クリーンなイメージの街を作り上げてきたからです。
遠山 カジノ以外の売り上げが6 割に達しているとは意外でした。
佐々木 2008 年のリーマンショックを機に、カジノ以外の売り上げを上げていかなければいけないと必死に考えた結果、ディスコやクラブを運営することを始めました。よくよく見るとVIP シートがあったりなど、日本のバブル期のディスコと同じです。バブル期を経験された方がご覧になられたら、きっと懐かしいと思われることでしょう。実際、ラスベガスでもカジノ派とディスコ・クラブ派と分かれてきました。このように知恵を絞り、ターゲットを変えていくことでラスベガスの街を作り上げているのです。
遠山 ラスベガスはMICE にも力を入れていますよね。展示会なども数多く行なわれています。日本でも国策としてMICE 誘致に動いていますが、ラスベガスのMICE 誘致の特徴は何でしょうか。