韓国の酒類事情についてソウル大学校のJunghoon MOON教授が講演を行った。メッセージは2つ。一つは、ワインは量から質への転換がなされ、低価格から中・高価格への消費に移行していること。もう一つは、ビール消費が下がる中、その代替として20代と30代を中心にハイボールがブームであるということだ。
様々なデータを用い、韓国の酒類事情を説明していたが、特に印象深かったのが、良質なガストロノミーの流行と共に、ワインの消費が伸びてきたが、特にこのコロナ禍中に家のみを中心として大きく消費が伸びている点だ。
また、ペアリングは韓国料理ではなく、ステーキやパスタにピザといった洋食、刺身とも合される傾向があるとの説明があった。韓国料理と合されるようになると、消費が大きく伸びる。この数年でそれが出てくるのではないかとの見解を示した。
ウィスキーの消費については、若い世代を中心にハイボールの消費が伸びている。韓国でのハイボールは、ソーダを用いる代わりにトニックを使うようだ。少し甘さがあるほうが良いらしく、学生にソーダでつくったハイボールを試飲させると、甘さがないという返答が出てきたそうだ。同様な理由から、モスカートダスティもよく飲まれるとの話があった。ただ、日本同様、若い世代は経済的な余裕がないので、そのあたりが課題でもあるとの話であった。
こうした国際展示会の醍醐味は、トレンドを知れるということだ。特にアジアでの開催は、アジアをテーマにした講演も多く行われる。日々の業務に際し、肌感で感じていることを理由付けたり、視点を変えるのにもこうした機会は有効だ。少しでも、韓国からの訪問が多い施設の参考になれば幸いである。
担当:小川