今回は、沖縄県の中心都市、那覇市を取り上げる。同市は沖縄県の政治・経済・文化の中心地であり、県外、海外からの玄関口となっている都市である。沖縄県は那覇市の首里城や国際通り、北谷町の沖縄美ら海水族館、宮古島市や恩納村のビーチなど数々の観光地を有するリゾートエリアとして人気だ。以下に那覇市のマーケットポテンシャルと沖縄県の観光マーケットを見ていこう。
1.マーケットポテンシャル
沖縄県の県庁所在地であるに那覇市の人口は 31万 7609人(2019年)で、沖縄県内の人口シェア21.8%と県内で最も多い人口を有している。その他の県内主要都市をみると、沖縄市が 14万 612人、うるま市が 12万 2815人、浦添市が 11万 3429人で、沖縄市を含むこの4市が県内における人口 10万人以上都市であり、県内総人口の 5割弱を有している。県内第 2の都市である沖縄市が那覇市の 4割強の人口にとどまることから、沖縄県内における人口構造は那覇市に優位性が高いことがわかる。(図表1)
増加率(19年/14年)をみると、県内主要都市には増加都市が多いことがわかる。その中で那覇市は▲ 0.8%の微減。主要都市内では宮古島市と那覇市のみが減少都市となっている。その他主要都市では豊見城市が 5.8%、南城市が 4.9%で比較的高い増加率となっている。国内においては成長性のあるマーケットと言えるだろう。(図表2)
那覇市の年齢構造を見ると若年人口比率は 21.4%、適齢期人口比率は24.0%となり、若年人口比率、適齢期人口比率ともに全国レベル(17.4%、22.3%)を上回った。その他の県内主要都市をみると若年人口比率は全ての都市で全国レベルを上回っており、その中で豊見城市が 25.9%で最も高く、次いで浦添市・沖縄市が 24.6%、名護市が 24.3%、糸満市が 24.2%となっている。若いマーケットが多く存在すると言えるだろう。適齢期人口比率も概ね全般的に全国レベルを上回っていることがわかる。特に宜野湾市が 26.5%、豊見城市が 25.4%、浦添市が 24.5%、沖縄市が24.3%、名護市・糸満市が 24.1%と高くなっている。沖縄県主要都市全てにおいて高齢者比率(65歳以上人口比率)が全国値(26.6%)を下回っている。
将来推計人口をみると那覇市は 2040年頃には 2010年ベースから約 8%程度減少するとみられており、減少ペースは緩やかである。その他の県内主要都市を見ると、豊見城市が将来的に人口増加し続ける、国内では稀有な都市となっている。また、那覇市、名護市、宮古島市、南城市以外は 2025年頃でも増加すると推計されている。将来的には2010年ベースの 80〜120%程度になると思われ、概ねの地方都市で人口減少している我が国の人口減少社会の中で、沖縄県の人口ポテンシャルの高さがうかがわれる。那覇市は将来的に人口減少しても、沖縄県内で最も高い人口ポテンシャルを維持できるだろう。また、豊見城市は将来的に名護市の人口規模を大きく超え、石垣市も宮古島市との人口規模の順位が入れ替わると推計されている。(図表3)
----
※各種図表など詳細なデータにつきましては本誌ご購入いただけますよう、お願い申し上げます。
2021年12月10日号ご注文フォームはこちら
https://ec.hoteresonline.com/products/list.php
------
2021年12月10日号 観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル《那覇市編》
観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル《那覇市編》
【月刊HOTERES 2021年12月号】
2021年12月09日(木)