高原観光と上高地
長野県には毎年 8000万人以上の観光客が訪れている。長野県観光の特徴は、主として山岳観光である。登山家で作家の深田久弥が選んだ日本百名山のなかで、長野県に立地する山は 27を数える。全国で10以上の名山を有するのは、山梨県の11山のみである。長野の山は2千mを超える高い山も多く、登山を楽しむ山男、山女の客が多い。富山県や新潟県などと接する山岳地帯は中部山岳国立公園に指定されているが、ここを訪れる山の愛好家は年間延べ 1千万人をこえるという。
しかし本格的登山家だけでなく、夏涼しく、緑や花、川、湖、温泉を楽しむ行楽客もそれ以上に多い。当県の観光名所を見ると、高原と名の付く高級観光地が実に多い。軽井沢、志賀、霧ヶ峰、戸隠、美ヶ原高原など20近い。その中で特に光るのが上高地である。当地は 1888年頃、日本に宣教師として滞在した英国人ウォルター・ウェストンが中部山岳を愛し、「日本アルプスの登山と探検」なる書を上梓し世界中に上高地の魅力を紹介した。今も年間 120万人をこえる愛好者が訪れている。
県民分配所得は全国 18位
長野県の面積は 13561.6km2で全国第 4位と、福島県より小さく、新潟県より大きい。人口は 207.2万人で全国 16位。岐阜県より大きく、新潟県より小さい。年齢構成をみると、14歳以下の幼年人口は 12.0%、15.64歳の生産年齢人口は56.4%、65歳以上の老年人口は 31.6%で、全国と比較すると、老年人口比率が高くなっている。県民分配所得は 6.1兆円で全国 18位。一人当たり所得は 294.0万円であり、全国で宮城県に次いで 25位となっている。産業別構成比をみると、第 1次産業は 1.9%、第 2次産業は 35.5%、第 3次産業は62.5%で、全国平均と比べると第 2次産業比率が高い。工業出荷額は 6.5兆円で全国 18位、人口当たりは 307.6万円で全国 15位となっている。
ホテル・旅館の伸びは低調
飲食店数は 14年で 1万 1177店。内訳をみると、食堂・レストランが 1532店で 13.7%、専門料理店が 3073店で 27.5%を占める。その中で多いのは中華料理店の 985店で 8.8%を占める。次いでその他の専門料理店が 960店の 8.6%と続いている。そのほか、すし店が 377店(3.4%)、そば・うどん店が824店(7.4%)となっている。また遊興飲食店のバー・キャバレー・ナイトクラブは 2102店(18.8%)、酒場・ビアホールは 2111店(18.9%)と多く、両者で 37.7%を占める。以上のほか喫茶店は 828店(7.4%)、ハンバーガーなどその他の飲食店は 296店(2.6%)である。09年調査から飲食店が分離された「持ち帰り・配達・飲食サービス業」は 1052店である。ホテル・旅館の施設数は 19年で 2620軒、客室数は 6万 3713室で、2010年からの伸び率をみると、施設数は全国の▲ 9.9%に対して当県は▲ 17.1%、客室数は全国の 8.9%に対して当県は▲ 7.2%の伸びで、ともに平均を下回っている。
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