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HOTERES エンターテインメント!

“個の時代”の担い手が語るSNS・インフルエンサーマーケティングの今

【月刊HOTERES 2021年08月号】
2021年09月01日(水)
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スマートフォン、SNSの発達と"個人の発信が持つ影響力"が掛け合わさることで計り知れない経済効果を生みだす時代になった。自らもインフルエンサーとして活躍してきた中山氏は10年以上も前からこの時代を夢見てきたという。「toridori」が展開していくインフルエンサーマーケティングのこれからが楽しみだ
スマートフォン、SNSの発達と"個人の発信が持つ影響力"が掛け合わさることで計り知れない経済効果を生みだす時代になった。自らもインフルエンサーとして活躍してきた中山氏は10年以上も前からこの時代を夢見てきたという。「toridori」が展開していくインフルエンサーマーケティングのこれからが楽しみだ

ひとびとの嗜好がより細分化される現在、インフルエンサーのジャンルも多種多様であることが求められるようになった。マスからニッチまで、時代の流れに即したジャンルのインフルエンサーを数多く有している点も「toridori marketing」の強みだ
ひとびとの嗜好がより細分化される現在、インフルエンサーのジャンルも多種多様であることが求められるようになった。マスからニッチまで、時代の流れに即したジャンルのインフルエンサーを数多く有している点も「toridori marketing」の強みだ

観光や外食業界にとって、昨今、より身近なメディアとなっているのがSNS だ。読者の中にもインフルエンサーを登用したSNSプロモーションを行なった事業者も少なくないだろう。その中で最近よく聞かれるのが「高予算をかけてインフルエンサーを使ったはいいが、結果に結びつかない」という声だ。そこで今回は結果に結びつくインフルエンサーマーケティングで好評の『toridori marketing』を運営する㈱トリドリの代表・中山 之氏と事業責任者 ・三宮翔太氏にお話を伺った。

㈱トリドリ 代表取締役社長
中山 貴之 氏 
1990 年生まれ、徳島県鳴門市出身。月間500 万PVを集める個人ブロガーとして活動後、2016 年、株式会社アップロント 現・㈱トリドリ 設立。インフルエンサーマーケティングに関する各種サービスをリリースし、会社設立4 年で売上高22 億円の企業まで成長させる。また、自身YouTuberとしてチャンネル登録者数14 万人超のYouTube チャンネルを6年間運営するなど、インフルエンサー・経営者両者の視点から「インフルエンサーマーケティングの新しい形」を追求し続けている。

㈱トリドリ 取締役・プラットフォーム事業  事業部長
三宮 翔太 氏
大学卒業後、株式会社ファンコミュニケーションズ入社。モバイルのアフィリエイトサービス事業にて、コマース事業を中心に累計1000社を超える顧客を担当し、営業・運用・マーケティングセクションのマネージャーを歴任する。その後2016 年、株式会社アップロント(現・株式会社トリドリ)に入社、取締役就任。事業者とインフルエンサーをダイレクトにつなぐマッチングプラットフォームの立ち上げ、事業責任者を務める

 
成功のカギは継続施策にあり 
 
 まずインフルエンサーマーケティングが各所で効果に結びついていないと言われる点についてどう思うか伺ってみた。
「往々にして陥りがちな点として、“一回のインフルエンサーの投稿で効果が持続する”という期待値と現実の間にギャップがあるのではないでしょうか。
 特に高額な費用をかけてインフルエンサーマーケティングを行っている場合、フォロワー数が数十万人・数百万人いるメガインフルエンサーを起用し、一過性の発信で終わってしまうケースが多いのです。メガインフルエンサーはフォロワー数が多いため瞬間的に話題になることには成功しますが、発信された情報がすぐに埋もれてしまい認知機会をのがした結果、情報が市場に根付くところまで効果が持続しないことも。そのため、同じ予算であれば、中堅クラスのインフルエンサーに定期的に複数回継続投稿してもらう方が結果に結びつきやすい傾向にあります。継続投稿することで毎回新たなターゲットにリーチすることができますし、結果的により多くのファンを獲得することにつながるというスキームです。
 また、投稿の際につけるハッシュタグも、ビッグワード(よく検索されるキーワード)だと上位露出されにくいので「エリア」や「ジャンル」などを掛け合わせた細分化したワードを選定することも効果増のためには必要です。
 そして、よりコアな発信ができるインフルエンサーとのマッチングも大事な要素です。インフルエンサーマーケティングの際にフォロワー数以上に大事となってくるのは、「そのインフルエンサーの投稿にどんな人がいいねしているのか、どんなコメントが寄せられているのか」なんです。弊社のマーケティングプラットフォーム『toridori marketing』ではこうした「コアで動きやすいフォロワーがついているマイクロ~中堅インフルエンサー」を大量に管理でき、かつ長期的なSNS プロモーションを行なっていただきやすいスキームにしていることで、結果に結びついたと喜んでいただいているクライアント様も多いです。日本各地の観光協会や地方自治体からも依頼を受けるなど、より広い市場から活用いただいている状況です(中山氏)」。
 
SNS市場の持つ可能性
 
 ところでSNS 市場も成長期へと突入し、プラットフォームも日々増えている状況なのは本誌でも既報の通りである。世界的に話題をさらった「clubhouse」ですら既に失速し、ブームは短命に終わった。このような中でSNS市場には今、どのくらいの将来性や可能性があるのだろうか? 
「SNS 市場はまだまだ広がっていくと考えております。実際にデータを見ても伸び続けていますし、今後も伸びると分析されています。特にYouTube、TikTok などのSNS は、ここ2、3 年で芸能人が参入してきたことで視聴者層も拡大しております。さらにコロナ禍で人と接する機会が減ったことで、今までSNS を見ていなかった層のユーザーもYouTubeをはじめとしたSNSに積極的に触れるようになり“視聴時間”はテレビからSNS への移り変わりが徐々に起きています。
 また、SNS の中でもトレンドが生まれ、TikTok に代表される短編動画を好んで視聴する層が増えてきています。さらに、コンテンツの発信がカメラ、編集ツールの発達でより簡単になり個人の発信が増え、よりニッチな情報発信を行うマイクロインフルエンサーの台頭でコミュニティの細分化が進んでいますし、ユーザーの選択肢が拡がっている。
 これらの点からマイクロインフルエンサー市場は伸びしろがあると考えています。将来的には、今以上の視聴者層の拡大とニッチコミュニティの増加でピンポイントプロモーションが行ないやすくなっていく土壌に移り変わるのではないかと思います。(中山氏)」。
 
 
グローバルとつながるデジタル時代だからこそ
必要とされるSNS教育と矜持
 
 同社では先述のように企業にむけたSNS 活用やインフルエンサーマーケティングのサポートを行なうだけに留まらず、企業向けのSNS マーケティングセミナーも積極的に行うことで有効な導入・運用方法についての発信を行い、啓蒙と市場拡大に力を入れている。
 そんな中で同社では今後、インフルエンサーに向けた教育コンテンツの提供も視野に入れているという。「弊社はインフルエンサーをサポートすることでビジネスを行なっている企業なので、これからインフルエンサーとして活躍したい人向けにSNS の知識やノウハウはもちろんのこと、収益構造や税金、法規についてなどもオンラインスクールのような形で発信していきたいですね。インフルエンサーといっても色々な活躍の仕方やセグメントがありますが、“インフルエンサーという職業”で活躍し続けたい場合はビジネスパーソンとしての常識や知識を持っていることも必要となってくると考えています。(中山氏)」。
 さらに同社ではインフルエンサーとの取引内容について規約を設けている。
「例えば、弊社では取り扱うPR 案件に対して、インフルエンサー本人の自主的な行動であれば、PR 案件で指定されているSNS 以外で発信することを認めております。しかし『Amazon』様や『食べログ』様など、プラットフォーム側がインフルエンサーのPR 投稿を禁止と定めている場合は、弊社も同様に禁止としております。弊社はインフルエンサーマーケティング市場が健全に成長するためにも法令遵守を広告主・インフルエンサーに徹底していただくようサービスを展開しております。(三宮氏)」。
 (取材・本誌 毛利愼 原稿 飯野耀子) 
 

​担当:毛利愼 mohri@ohtapub.co.jp

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