ラグジュアリーBBQの旗艦店ともいえるアークヒルズサウスタワーの屋上庭園で運営する「ARK HILLS SOUTH TOWER ROOFTOP LOUNGE」。大人のビアガーデンとして毎年人気だ
昨年来のコロナ禍により、3回目の緊急事態宣言においては酒類の提供が中止要請されるなど、飲食店の厳しい状況が増している。その中でzettonは今年、10店舗のビアガーデンを運営している(※緊急事態宣言下においてはアルコール提供を中止しての運営もしくは休業)。この環境下でビアガーデン業態をあえて数多く展開するのは興味深い。そこでzettonになぜ今、ビアガーデンなのか? を伺ってみた。
「昨年同様ビアガーデン及びBBQは期間限定で10店舗を運営予定しています。これは昨年、コロナ禍において営業自体が危ぶまれる中で5月の緊急事態宣言解除後の6月、予定していたビアガーデン及びBBQを全店舗で営業開始したところ、13万名のお客さまにご来店いただけたことがあげられます(コロナ禍前は年間30万名)。それによりお客さまのニーズを知れたこと、さらにコロナ禍における営業スタイルのノウハウを獲得できたことやお客さまの認知度向上、屋外ということで多くのお客さまに安心してご来店いただけたことなどがあり、本年も運営できることにつながったと考えています」。
今禍における運営について他社との差別化はどのようにしているのだろうか?
「本年はソーシャルディスタンスへの対応面でさらなる省人化を昨年より進めており、一部セルフスタイルにしながら、お客さまに“選ぶ楽しさ”を感じていただけるよう設計しました。多くの店舗でお昼の時間帯の営業をお得なプランで実施したり、ノンアルコールのラインナップも拡充するようにしています。業態スタイルも3つご用意していて、ラグジュアリーBBQ、コリアンスタイルBBQ、飲み食べ放題BBQと、エリアの特性を見定めた上での設定をしています。時期は未定ですが、小学生以下のお子さまむけにキッズBBQプランの無料のキャンペーンや、秋以降ビアガーデンではなくBBQとしてメニューラインナップを一部変更し、より長い期間楽しんでいただけるよう工夫するなどもしていく予定です」。
加えてデータ活用も効果をあげているという。
「昨年起ち上げたLINEの“BEER GARDEN.JP”というブランドアカウントがあるのですが、ビアガーデンやBBQにご来店いただいたお客さまに友だちになっていただくことで今年は直接オープン情報やお得なクーポン等をお届けできるようになりました(※現在、5万人が友だち登録)。加えて、過去3年間のお客さまデータを徹底的に調べサマライズしたことにより、予約経路、予約のリードタイム、組人数、媒体別予約数など、客単価や客数という単純な数値ではなく深堀したデータを取得することで、営業のオペレーションやweb戦略の変更、費用対効果を最大化したスキームを作りCSをあげるようにしています。これらのデータとコロナ禍におけるアウトドア事業の実績や“promise”というzettonとしての指針を明示することができたことで、安全・安心を感じていただけているように感じますし、他社によるビアガーデンの多くが営業中止になる中で今禍も弊社が数多くの運営をさせていただけているのではないかと考えています。もちろん、今年も営業する中でお客さまの声に耳を傾けながら、さらなるブラッシュアップをしていければと考えています」。
zettonが本年運営するビアガーデンはいずれもが個性的なコンセプトで設計されており、これがコロナ禍でなければとかえすがえすも残念に思う次第だ。気候もビアガーデンが楽しい時期になっている。飲食業界の生き残りも含め、一日も早い酒類提供解禁日を願うばかりだ。
zetton inc
http://www.zetton.co.jp/