天井や壁にミラーサイネージを駆使することでDJブースやフロアをダイナミックに見せることで、空間の華やさが増し、ホログラム演出もよりエキサイティングに見えるようになっている
創業から四半世紀の歴史を持つ渋谷の人気クラブ「CLUB CAMELOT」がリニューアルオープンした。ナイトクラブとして世界初のプロジェクテッド・ホログラム(※プロジェクションによる立体浮遊映像)を常設したことでも話題だ。が、コロナ禍も第4波を迎える今日、外食産業以上にナイトエンターテインメント市場は厳しい状況を強いられている。
その中で大々的な改装を伴うリニューアルオープンに躊躇がなかったかといえば嘘になると小濱社長はいう。しかしそれを以てしても今回のオープンに踏み切った理由は「現在コロナ禍が始まって1年が経ち、少しずつではありますが世界的にワクチンの普及が進み、コロナ禍の収束に現実的な未来が見えてきた状況だと考えております。もちろん油断を許す状況でないことは承知の上ですが、希望が見えはじめた今、ナイトエンターテインメント業界に明るい道を開いておかなければ今後さらに業界が衰退してしまうことが懸念されました。そこで感染拡大防止とエンターテインメントを融合させた店舗を作るをコンセプトに、ニューノーマル時代のナイトクラブカルチャーを牽引していこうという考えから今回のリニューアルオープンに至りました」と小濱氏。
事実、ナイトエンターテインメント施設の開業は久しくニュースがなく、リニューアルとはいえ、「CLUB CAMELOT」のような大箱のオープンはこの1年強皆無だったといっていいだろう。ちなみに今回のリニューアルオープンに際しては㈱CAMELOTを上場企業である㈱GFAが完全子会社化しており、オーバーグラウンド市場のナイトエンターテインメントがコロナ禍で始動した点にも注目したい。また同社ではリニューアルにおけるコンセプトとして“大人の遊園地“を掲げた。CAMELOTの弱みでもあった天高についてもこれを機に何か改善案が欲しかったという。
そこで空間デザインは㈱T&C JAPANの秋葉達雄氏に依頼した。デザインについて秋葉氏に伺ったところ、「若者文化を牽引してきた渋谷という街の、そのど真ん中に位置し3フロアを有する『CLUB CAMELOT』を大人の遊園地をテーマにした店として演出する上で、階段を降りるにつれ海底の世界へと導かれる、そんなイメージをデザインに反映させました。またB3フロアには最新ホログラム技術を駆使した圧倒的な映像技術と飛沫感染対策を施されたBarカウンターを設置しました。メインフロアは様々なヒカリの仕掛けもさることながら、視覚の錯覚を活かし地下とは思えない天井の高さを感じる仕様になっています。物理的に限られた高さという概念を覆す体感7m近く抜けた空間は、左右のミラーの写り込みも加わり広さという感覚を取り去られる場を実現できたのではないかと思います」と回答が返ってきた。
2023年に予定するフルリニューアルの際には収容人数1500人(※現在は感染拡大防止のガイドラインにそって制限を行なっている)を誇る都内最大級のクラブが復活する。攻めの姿勢でコロナ禍に苦しむエンタメ業界の活性に一矢を報いた「CLUB CAMELOT」の今後に期待したい。
CLUB CAMELOT
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