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2021年3月5日号 トップインタビュー 際コーポレーション(株) 代表取締役会長兼社長 中島 武 氏

トップインタビュー 際コーポレーション(株) 代表取締役会長兼社長 中島 武 氏

【月刊HOTERES 2021年03月号】
2021年03月04日(木)
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---コロナ対策において飲食店は常に時短営業の要請を受けるなど他業態に比べてやり玉に挙げられることが多いわけですが、今後もコロナとの共存が求められる中、どういった対策を望まれていますか?

 国や行政、そしてマスコミの皆さんにまずお願いしたいのが正しい情報を教えてもらいたいということです。例えば本当に皆さん、飲食店でコロナになっているのか? エビデンスとなるデータはあるのか? 全国で発生しているクラスターのうち、飲食店で発生しているものはどの程度あるのか? 日々ニュースで発表される感染者数にしてもただセンセーショナルに数字の増減を報道するのではなく、検査数がどれだけあったうちの陽性者数なのかということをきちんと教えていただきたい。


 また飲食店が開いていると人が集まるからよろしくないということで、飲食店の営業時間の短縮に行政からの要請が入るのであれば(編集部注:新型コロナウイルス対策を強化する改正特別措置法により緊急事態宣言が発令されている際に営業時間短縮命令を拒んだ飲食店事業者に30 万円以下の行政罰としての過料を科すことが決定した)、先述したように中小の飲食店のみが助成される、もっと言えば経営規模や従業員数のいかんにかかわらず一律なのではなく、それぞれの規模に即した金額での助成を行なっていただきたい。
これは今後も時短要請など続くのであれば優先的にご検討いただきたいところです。あとは商業施設の在り方についても再考願いたい点があります。

 営業の有無について、決定権がわれわれにある店舗はいいのですが、商業施設に入っている店舗はディベロッパーの決定にテナントは従わざるを得ません。それでも家賃は発生します。空港に入っている店舗も同様のことが言え、国の権限でのテコ入れをお願いしたいところです。いずれにしてもコロナに関する情報が錯綜する中でわれわれは何を信じ、どうしたらいいのか?指針となる一元化した生活経済活動の仕方を首相から国民へと呼び掛けていただきたいと思っています。

---大手企業ならではのご苦労はありますか?

 大手だから大変というわけではありませんが、実際問題として大手は中小に比べて従業員数が多いわけですからそれだけの人の、加えて彼らの家族の生活を保障する責任があります。さらに店舗数が多ければそれだけ家賃が発生しますし、仕入れ業者さんや生産者さんへの支払いも大きい。それにはとにもかくにも現金が必要なわけです。幸い、現在は金融機関も応援してくれていますがこのままコロナが続けばそれが続く保証はないわけですし、借りたものは返さなければいけません。その中で飲食店だけではありませんが、企業を助け得るのが緊急融資です。しかしこの緊急融資がなかなか承認してもらえない。コロナ禍においてはここにも国の指導を入れていただきたい。

またこれまでもディベロッパーさんにはずいぶん助けていただいてはいるのですが、大手さんは往々にしてグループ企業に銀行があります。そこでディベロッパーが保証人となることで店子(たなこ)であるわれわれが融資を受けられるシステムを作ってもらえたらと思います。新聞の一面にそんな広告がのったらかっこいいじゃないですか? 私は自身も含めて、コロナが理由である倒産は一軒も出してはいけないと思いますし、出さないというくらいの気概を持って国も国民も皆でスクラムを組んで日本経済を守る流れができてほしい。ですから今はわれわれが従業員を守るためにも大手ディベロッパーの皆さんにはわれわれを守ってもらいたいと切に願っています。

---最後にwith コロナ、その先にあるafter コロナに対してはどのような見解をお持ちですか?

 テイクアウトや家で食べる食事と外食の楽しさ、おいしさが違うということだけは普遍の真理としてありますから、コロナが落ち着けば一定数お客さまは戻ってくるでしょう。しかし、いままでのようにやっていては通用しなくなっていくと思います。外食産業があらゆる意味で魅力的な店舗、料理を作っていかないと淘汰(とうた)される時代に入ってきたということです。

どうしたらお客さまに響く店づくりができるのか? コロナ対策についても同様のことが言えますが、新しい企画や打開策を打ち出せることが今まで以上に大切な時代になりましたし、それができることが人材登用でもより求められていくと思います。

---貴重なお話、ありがとうございました。

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